2017年5月11日

≪まごいちピアノ日記 No.028≫ Steinway & Sons (GP, GPフルコン)

ウィーン旅行。
ウィーンでピアノを弾きたい!と、ウィーン在住の知り合いの方に厚かましくお願いしました。
ベーゼンドルファーサロンの次、日本人のピアノ製作者で調律師の加藤嘉尚さんの工房JOHANS KLAVIERSALON で、スタインウェイのスタジオを手配してくださいました。

最寄駅は、Karlsplatz (カールスプラッツ)。
Karlskirche (カールス教会) の左側をくぐって裏へ抜け、少し歩くとJOHANS KLAVIERSALON があります。



借りたピアノ
■日時:2016年3月10日(火)17:00~18:00
■場所:JOHANS KLAVIERSALON (ヨハンス クラフィーアサロン)
■住所:[工房、お店] Gußhausstraße 8, 1040 Wien、[スタジオ] Paniglgasse 5, 1040 Wien
■TEL:[工房、お店] 0664/ 242 76 16、01/ 505 74 20
■機種:Steinway&Sons D型 (ハンブルグ製)
■製造番号:494540 (1980年代製)
■部屋の広さ:不明 (半地下のサロン)
■料金:20 €/60分


コンサートが出来るようなサロンになっていて、スタインウェイのフルコンが1台とそれより一回り小さいグランドが1台置いてあります。
もちろん、ハンブルグ製。D型です。
ピアノを弾きながら前を見ると窓があり、人が歩いているのが見えます。


このスタインウェイは、キラキラ感が少ないような気がします。
音が飛び散らないというか。


ものすごく音量が出ます。
サロンが良く響くのもありますが、ピアノから溢れ出す音量が半端ないです。
音は簡単に出ますが、軽いわけではなくて、鍵盤はきちんと重みがあり、そのギャップがちょっと腕にだるくかかる感じ。
すぐに慣れます。

反応が速いので演奏も速め。
エネルギーが勝手にどんどん前へ、テンション高めでスイスイ進みます。
少ないエネルギーで省エネ演奏。
だから盛り上がるところにエネルギーをどんどんかけると、ものすごいことになります。



部屋がとてもよく響くので、残響が出来て、きれいに音がフェードアウトして消えていきます。
曲の途中、休符にフェルマータ付きや、休符無しのブレス記号などの時、ペダルを使わなくても音の切れ目がブツッっとしないし、変な間ができたりしません。


いつも練習で、ペダルなしで切ると処理にいちいち時間がかかってしまうか、ブツッっと音が切れてしまってその後に何か気まずい空間ができてしまったりするのですが、このような環境だととても自然!と、驚きでした。
作曲家はこういう現象を期待して書いていたのかー、と。
何故、その空間に休符やフェルマータがあるのか、どうすれば効果的に弾けるのか、ずっと不思議だったものが解決。

作曲者の人物や時代背景を知るのと同じく、作られた環境を知るのも大事だとやっとわかりました。
家で時間をかけてどれだけ頑張って練習をしても辿り着けないわけです…
それがわかっても、じゃあ、これを日本の環境でどう処理すれば良いのか。
難しい…

おまけに。
オペラ座からモーツァルト像(ト音記号の花壇)がある公園までの間に、スタインウェイのお店がありました。
中に入る時間と勇気がなく、外から中を覗くとピアノが何台か展示されていて、クリムトの絵が描かれたピアノがありました。



ドイツ語圏では、「STEINWAY-HANS」なのですね。

【まごいち音楽教室】
TEL:080-3130-7057
メール:mago1.klavier@gmail.com