藤原道山さんは、NHKの「にほんごであそぼ」という番組で尺八を演奏されている方です。
尺八というと、袴を着たおじいさんが眉間に皺をよせて渋い顔をしながらヒュ~ヒュルル~と演奏しているイメージでしたが、「にほんごであそぼ」では恰好良くロックな演奏をされていて、演奏を聴いてみたいと思っていました。
さて、まず。
会場のみずほ文化センターってどこ?
この辺りのコンサートホールはだいたい知っているつもりだったのですが、初めて聞きました。
ホールというより多目的に使える広いスペースで、演奏会用のホールではないようです。
床は平面なので可動式の席(結構揺れるのです…)を設置、ステージには反響板代わりのパネルが置かれていました。
今回の公演は宝くじの助成ということで、とってもお得!
久しぶりの自由席の公演。
早く行っていい席を取らなきゃ~!とソワソワしてしまうので、指定席の方がありがたいです。
他の会場では早々に売り切れる公演のようですが、この会場は空席がたくさんでした。
勿体ない…
さすが田舎… (年齢層も驚くほど高かったです。)
尺八もマリンバも、ちゃんとプロの演奏を聴いたのは初めてでした。
プログラムは、クラシックの編曲や、日本の曲、オリジナル曲と盛りだくさん。
ヴィヴァルディの「四季」やラヴェルの「ボレロ」は、どのパートをどう割り振るのかとても興味がありました。
「世界最小オーケストラ」と言われるだけあり、様々な音色を使いながら、とても深みのある演奏でした。
尺八とマリンバのためにお二人で作曲された曲は、さすがに尺八とマリンバが効果的に使われていて、とても伸びやかで軽快で魅力的な演奏でした。
尺八は、木管の優しい音色で、フルートと似ていると思いました。
ラヴェルのボレロでは、最初のスネアドラムの音を表現されていて、これが本当にスネアドラムとそっくりな音色で驚きました!
音色のバリエーションが本当に多くて(西洋楽器とは比べられないほど多いと思います)、尺八1本とは思えない演奏でした。
マリンバは5オクターブ。
すっとまっすぐ立って演奏されていて、さすが姿勢がとても美しいな~と感心していたら、広音域の所では反復横とびの様に素早く移動しながら演奏されていたり、なかなか運動量の多そうな楽器です。
マレット(バチ)や叩き方によっていろんな音色になりますが、基本的に柔らかく優しい音。
特に低音はふわーんと響きが漂います。
軽快なリズムもあり、かかとでステージの床を鳴らしたり、足首に鈴を付けて鳴らしたり、パフォーマンスもとても魅力的でした。
音域も広くてメロディも伴奏もでき、さらにリズムパートも担当できる、万能楽器です!
あっと言う間の2時間。
全てがメインディッシュのような、濃いコンサートでした。