レッスンで最初に弾くハノン。
とても綺麗に弾いていますが、少し速くなると音が薄くなりがちな生徒さん。
そして、その分、レガートも弱くなりがちです。
速くなっても鍵盤の底まできちんと弾くこと、レガートを意識して弾こう、と宿題にしました。
今週。
生徒さんは、きちんと鍵盤の底まで打鍵して弾いてくれました。
ですが、レガートがあまりありません。
なんなら前回よりも切れてしまっているように聞こえます。
何かを変えた時に、それに影響されて他の何かが変わってしまったり、それに合わせて何かを変える必要が出てくることはよくあります。
きちんと弾いているのに、どうしてレガートが弱くなったのか、考えてみました。
鍵盤の底まできちんと打鍵したことによって、音が硬くなったからではないでしょうか。
生徒さんが出すしっかりとした音は、パリパリのお煎餅。
お煎餅を綺麗に隣同士に並べても、少しの隙間はできるでしょうし、お煎餅1枚ごとの切れ目がはっきりわかります。
それが茹でて柔らかいお餅ならどうでしょう。
うにょ~んと伸ばして隣のお餅にくっつけるのです。
すると密着することが可能です。
伸びるお餅を頭の中でイメージして、そういう感じの音で弾いてみましょう。
すると、良い感じのレガートになりました。
音の中身を柔らかくすることで、レガートにし易くなります。
パリパリのお煎餅の音でレガートにすることもできるはずですが、とても難しいです。
こうやって、一つずつ原因を考えて対処しながら、良い音、良い音楽を作っていくのです。
間違えず弾けたら終わり!ではなく、試行錯誤しながら音の質や音楽の内容も充実させていきたいですね。