何にでも名前があるのだと常日頃から生徒たちに言っている私。
生徒さん、よく話を聞いていてくれていました。
「先生~、この記号って何て言う?」
聞かれて、そう言えばこの記号の名前を知らない…と思いました。
右手のパートの音を左手が担当する時や、その逆の時に使われる記号です。
私はこれを形から何となくカッコと呼んでいましたが、正式名称は何なのでしょう。
考えてみれば、その名前を習ったこともないですし、その記号の意味すらいつの間にか理解していたので、誰かに聞いたこともありませんでした。
楽典の本や辞書などを調べてみましたが、わかりません。
記号でなく、r.h.(right hand、右手で)、l.h.(left hand、左手で)という指示が書かれていることがあります。
これは英語ですが、ドイツ語でも同じ表記になります。
rechte hand(右手)、linke hand(左手)となる為です。
フランス語で、m.g.(main droite、右手で)、m.g.(main gauche、左手で)と書かれていることもあります。
これは、片方の手のパートの音域を超えた時に使うことが多く、この指示があると手が交差しがちです。
和音のうちのいくつかの音を手伝ってもらう、フレーズのある部分を引き継いでもらう、そういう時には使わない気がします。
そして、もう一つ聞かれました。
「これは何ていう名前?」
右手と左手のパートや五線の違う譜表を繋ぐ斜めの直線の名前です。
これも同じように、私は全く疑問も持たずに、フレーズが繋がることを意味しているのだと理解して弾いていました。
確かにレッスンをしていると、楽譜に出てきたこの記号を見て、生徒さんが「これってどう弾くん?」と聞いてくれます。
いやいや!わかるやろー!と思いましたが、経験の浅い人にとっては楽譜に出てくる記号のほとんどが初めて見る記号なわけですから疑問に思うのも当然ですよね。
もしかしたら、凄く特殊な奏法を要求されている?
この線は弾くの?弾かないの?
この記号の名前も、調べましたがわからない…
パソコンで楽譜を書くソフトがありますが、この記号もきちんと入力できるようになっています。
記号の名前はわかりませんが「ライン」という素材の中に入っていました。
私は、この世の中には、名前がないものはないと思っているので、きっと何かしらの名前が付いているでしょう。
名前がないものは、自分が生み出したものか、自分が一番に見つけたもの。
生徒さんには、次のレッスンまで調べてみるけれどわからない気がする~ごめんね~と先に謝っておきました。
そして、生徒さんにも、記号の名前がわかったら教えてねと頼みました。
一週間後、生徒さん、わからんかった~と言っていました。
調べてくれたのですね。
素敵。
どこかで解決すると嬉しいです。