子どもの頃は、1オクターブが届かなくて、泣きながら弾いていました。
せめて柔らかく開くようにと、お風呂の中で手をグーパーグーパーしたりしていました。
少し成長すると、鍵盤に引っ掛ける形で何とか1オクターブが届くようになりました。
届くだけでは、曲の中ではなかなか使えないのですが。
お風呂でのグーパーグーパーの効果があったのか、私の手はとても広がるようになりました。
1オクターブが何とか曲の中で使えるようになったのは、高校に入る前。
手をガッと開いて弾くので、大きく見えるのか「あなた手、大きいわね」と言われることが何度もありました。
手が小さくて無理をしながら弾いているのを先生にわかってもらえないのは、結構辛いものです…
それからも、指と指の間を広げるのが癖のようになり、今では左手は親指と小指がほぼ一直線(180度)になります。
左手の方が少しだけ大きく開くのは、音域の広いパッセージをたくさん弾くことが多かったからでしょうか。
そして、いつの間にか曲の中で出てくる1オクターブが、ほとんど問題なくなっていました。
小さくても開けられれば、オクターブのパッセージが弾けるのです。
ずっとオクターブの連続だったり、場合によっては苦しいですが…
驚くことに、最近また手が大きくなり、ドから上のレまで(1オクターブと2度、9度)届くようになりました!
大人になっても、指はさらに開くようです。
場合によりますが、曲中で弾くこともできます。
ドからレが届くことで、今までは弾くのをやめていた曲に挑戦してみようかと思えるようになりました。
ドから上のミまで!
肝心なところで出てくるドから上のミまでの長三和音の開離形。
テンションが高い所で出てきた時には、トップの音に向かって勢い良くジャララーン(アルペジオ)と弾けばほぼ問題ないのですが、落ち着いたところで出てきた時には分散させたくないことが多いのです。
静かに波が立たないようにアルペジオにするか(そもそも届いていないから難しいのです)、最低音だけ先に弾いて後を和音にするか、またはその逆で先に和音で響かせておいて最高音を乗せるか…
最近では、手が大きかったら…と思うこともほとんどなくなりましたが、この時ばかりは、手が大きな人を本気で羨ましく思います。
残念ながらドからミは、手を180度に開いても全く届かないので、弾けるようになることはないのでしょう。
あともう少しだけ!
指を伸ばす方法があるなら知りたいのです。