2024年11月23日

≪今週のレッスン Vol.422 11/23≫ 冬の冷たい空気

寒くなりました。
生徒さんをお見送りに外に出ると、冷たい空気。

今週は、なかなか忙しい一週間を過ごしました。
毎週来てくれる小さなお子様から、月に数回の生徒さん、全ての生徒さんのレッスンが入っていたからです。

まだ習いたてでドレミから順番に覚えていっている生徒さんもいます。
横開きの教則本から縦の教則本になった生徒さん。
「おけいこ」の本が終わって、ブルクミュラーなどのピアノ曲のレッスンが始まった生徒さん。
最近はソナチネアルバムを持ってくる生徒さんが増えました。
大人の方は、ショパン、ベートーヴェン…

夏から始まったコンクールが終盤を迎えています。
予選から最終まで半年がかりです。
力試しのステージに出演する生徒さん、それぞれ目標に向かって頑張っています。
本番が終わったら、来年度に向けて基礎を固めると良いでしょう。

いろんな演奏を聴きながら、私も勉強しなければ、練習しなければ、と毎日刺激をもらっています。

寒くなると指が動かないですね。
子どもの頃は冬になると、ピアノを弾く前は、ストーブやカイロで手を温めなければなりませんでした。
そう言えば最近はそこまで困っていないかもしれません。
これは室内でぬくぬくと過ごせるような生活をしているからでしょうか…

2024年11月16日

≪今週のレッスン Vol.421 11/16≫ メトロノームが合わせろ!

テンポアップしましょう。
そう言ってメトロノームをかけてみました。


いつもよりも少し速いカチカチに合わせようと弾いてみる生徒さん。
ですが、全く合わない生徒さんとメトロノーム。
ゆらゆらと、速くなったり遅くなったり…
置いて行かれて追い抜かして、その繰り返しです。

もしかして、メトロノームに合わそうとしているの?

OK!
メトロノームに合わせてもらいましょう!
そう言ってみました。

え?どういうこと?
不思議そうな顔をする生徒さん。

大丈夫です。
メトロノームが合わせてくれるから、こっちから合わせにいかなくて良いわ。
でも、カチカチだけは少しの優しさで聞いていてあげて…と。

弾いてみてもらうと、メトロノームにぴったり。
ビックリした目でこちらを見る生徒さん。

その顔が、写真を撮っておきたかったと思うくらい可愛かったです。

もちろん、誰が弾いてもメトロノームが合わせてくれるわけではありません。
きちんとテンポを取って弾き始めれば何の問題もなくテンポアップ出来ることがわかっていたので、こう言ってみました。

メトロノームの音が耳に入ってくるようにしたことが、結果的には広い空間で音を聞くことになり、響きも良くなりました。


レッスンで良く言っていることですが、メトロノームと全く合わない時は、合わせようとするのではなく一緒に演奏しようとしてみてください。
きっとメトロノームと仲良く音楽を作れると思います。

2024年11月9日

≪今週のレッスン Vol.420 11/9≫ 練習曲が難し過ぎませんか?

練習曲には、それぞれの曲で何を習得すべきかという目的がきちんとあります。
目的が明確に楽譜に書かれている曲もありますし、何も書かれていなくて通し番号がふられているだけの曲もあります。

音の粒を揃えることを目的とした曲、美しいレガートで弾けるようにすることを目的とした曲。
良く響く音色、バランスの良いハーモニー、表現…

何を習得するための曲なのか、理解して練習できると良いですね。


練習曲は、止まらずに最後まで弾ければ合格というわけにはいきません。
習得すべきことをきちんとできているか、それが大切です。

やたらと速く弾くことを求められる曲もあります。
とにかく音が多くて指を速く動かさなくてはならない曲。
指を動かしまくって、「私って凄いでしょ~?」と得意げになる曲ではありません。
それは、速くても美しく弾けるようになることを目的としている練習曲です。
逆に、いくら粒が揃った美しい音で弾けていても、ゆっくり慎重に…ではダメなのです。

フレーズを美しく歌う曲。
ピアノでも吸って吐いての呼吸があって、自然な歌いまわしができるように。
フレーズごとにきちんと分けて、終わりは閉じる。

3度の重音の連続を美しく弾く曲。
ずれないようにはもちろん、響きのバランス、レガートも大切です。

音を読んで弾くのに必死になっている状態では、習得すべき目的に対してのレッスンをすることができません。
ですから、最低限、レッスンに来た時には止まらずに弾けるように、途中のどこからでも弾けるようにしてきてくれていると、有意義なレッスンを受けることができます。

簡単に譜読みができて余裕で弾けるから、これは私には簡単すぎる…
そんなことは絶対にありません。
むしろそういう曲の方が、落ち着いてきちんとレッスンを受けることができるでしょう。

難しい練習曲を必死に弾くのも良いですが、自分のレベルに合った練習曲できちんとアドバイスを受けることが大切です。

2024年11月2日

≪今週のレッスン Vol.419 11/2≫ ねこふんじゃった

「ねこふんじゃった」を弾きたい!と生徒さん。
素晴らしいのが、きちんと楽譜を持って来られたこと。

遊びたいのではなく、この曲でレッスンを受ける!と思って来てくれたのが嬉しいです。
そして、楽譜を買って製本して持たせてくださったお母様が素晴らしい!

ピアノのレッスンは楽譜を読むというレッスンでもあります。
だから、楽譜を持ってくるというのは、レッスンをきちんと受けますという一つの姿勢の表れでもあります。


フラットが6個、変ト長調。
黒鍵が多いからこそ、覚えやすくて弾きやすいですよね。

「ねこふんじゃった」は誰かに教えてもらって弾けるようになる人がほとんどで、楽譜を読んで弾いた人は少ないと思います。
もちろんこの生徒さんも、楽譜を読んでいるわけではなく、ご家族かお友達に教えてもらったのでしょう。

楽譜と違うところが何ヶ所か。
音楽的におかしな音のところは直さなければいけません。
でも、口承された音楽にはたくさんのバージョンがあるものです。
いろんな弾き方があるので、楽譜と違うところがあっても良いのかもしれません。


遊び弾きの時は自由に弾いていましたが、一回弾いてみてと言うと、暴走せずにきちんと落ち着いて弾いてくれました。
それも素晴らしいことです。

超高速演奏も良いけれど、上質の「ねこふんじゃった」を作り上げてくれると嬉しいです。

2024年10月26日

≪今週のレッスン Vol.418 10/26≫ 上達するには

先日のブルグミュラーコンクール、部門ごとの講評で審査員の先生がおっしゃっていました。
「上達するためにはどうすれば良いか」という質問に対しての、その先生のお答え。
「レッスンで言われたことを、お家の練習で必ず改善して次のレッスンへ行くこと」です。

これは、私自身が生徒の立場で聞くと、本当に気を付けなければならないなと思うことです。
レッスンが終わった後、言われたことをすっかり忘れていて次のレッスンでまた同じことを言われる…
先生はどう思っていらっしゃるのだろうか…
呆れていらっしゃるだろうか…
学生の頃は、よくやっていました。

直したつもりで行っても、同じことを指摘されてどうやら直っていない…ということもあります。
教える立場になってわかったことですが、これは大丈夫。
練習をしてきたことはきちんと伝わっているはずですし、それでも直っていないなら次の改善策を考えるということなので、確実に前に進んでいます。

先生の立場からなら、レッスンで何人もの生徒さんを見ていて、「上達するためには」という答えとして、とても納得のいく言葉です。
1回ごとのレッスンでの違いはそれほどありませんが、数年が経つと上達の差が歴然と出てきます。
何となく上達はゆっくりペースだな…と思っている生徒さんが、いつの間にか着実に上達していて、周りの生徒さんよりも難しい曲を弾いていたりします。

宿題や課題になることの中には、すぐに直せることと、そうはいかないことがあります。

音の間違いはすぐに直さなくてはいけません。
運指やアーティキュレーションは、自分の身体に染み込んでしまっていると変えるのに時間がかかるかもしれませんが、出来るだけ早く改善すべきことです。
表現に関することは、時間がかかるかもしれません。
試行錯誤する必要があるからです。
今日解決しなかったら、明日に持ち越しても良いことです。

次のレッスンで必ず直していくというのは、より良い演奏をできるようになるためにレッスンに来ているのですから当たり前のような話です。
ですが、できていない人は結構います。

楽譜への書き込みを一週間一度も視界に入れずに練習…
見てもらえない書き込みは、レッスンを受けたつもりにしかなっていません。
1回分のレッスンが勿体ないです。

ちなみに、1回で改善できる生徒さんかそうでない生徒さんかというのは、発表会やコンクールの選曲の時に、私の中では結構重要です。
改善しようとする生徒さんには、信頼感があります。
ですから、本人が弾きたいと言った曲が背伸びした曲だとしても、一緒に頑張りましょうとお渡しできます。

なかなか直してこない生徒さんは…
想定される弾き間違いを考慮して、直らないまま本番を迎えたとしてもそれほど大事故にならない曲を探さなくてはなりません。
コンクールはおススメできないですね…

【まごいち音楽教室】
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