先日、ブルグミュラーコンクールの予選に姪が出場しました。
小学3・4年生B部門。
『ブルグミュラー25の練習曲』第21番「天使のハーモニー」を演奏しました。
結果は、優秀賞で予選通過!
おめでとう。
どうしても通過したいという思いで懸命に練習をしていたので、結果に安心しました。
毎年出るか出ないか…と言いながら、今年初めて出場したコンクール。
私も見に行ったのは初めてでした。
課題曲の違うA部門とB部門があります。
小学3・4年生はA部門が『25の練習曲』の前半、B部門が後半の曲が課題曲でした。
A部門はB部門よりも多くの方が出場されていました。
そもそも出ること自体が素晴らしいことではありますが、きちんと仕上がっている演奏もあれば、大丈夫?と心配になる演奏もありドキドキしてしまいました。
何故その曲を選んだ?もっと合ってそうな曲があるのに…と思う方。
楽譜にはそうは書いていないけど…というアーティキュレーションで弾いてしまっている方。
演奏云々の前に、最後の音を弾きながらもう立ち始めている方も…
そして、足台の設置のために出て来た親御さんが、スマホショルダーを下げていたり、片手にスマホを持っていたり…
ステージマナーも大切です。
B部門は、A部門に比べると課題曲の難易度が少し高くなります。
真剣にコンクールに挑んでいる方が多い印象です。
さすがにお辞儀からしてみんな舞台に慣れている感じがあり、演奏も予選通過を目指してしっかり仕上げてきていました。
さて、姪の選曲。
好きな曲を選ぶのも良いですが、コンクールなので予選を通過するという目的を考えて選ぶ必要もあります。
姪はパワー系ではないので、しっかりと細部の表現まで考えて弾ける曲で、できればあまり他の人と被らない曲…
姪が凄く好きそうな感じの「天使のハーモニー」、難しいですがおすすめしてみました。
「天使のハーモニー」は1曲まるまるアルペジオでできています。
両手を使った2オクターブの音域を上がって下がって…
10本の指全ての音の粒を美しく揃えなければいけません。
他の曲に比べると、エチュード的な要素が強い曲です。
この音はこの音よりも強くならないように。
思っている半分の強さで十分。
1拍で自然に減衰して消えるように音の強さを考える…
左手に右手を馴染ませる。
右手のトップの音をまろやかに…
歌うのは左手。
本当に1音ずつ細かくアドバイスをしました。
本番前は緊張していたようですが、集中力で最後まで綺麗に弾ききりました。
直前にアドバイスした、左手を歌うこと、再現部で重く後ろ向きにならないように真っ直ぐ前に音楽を進めること、どちらもきちんとできていました。
いただいた好評には、指導者として非常に嬉しいことを書いてくださっていました。
流れが自然で、左手から右手への受け渡しがとても上手。
これは、とても細かくレッスンしたので、きちんと評価されて嬉しいです。
そして、一番嬉しいコメントは「よく勉強されています」と書いてくださったこと。
良く楽譜を読み込んで奥深くまで考えられた演奏だということでしょう。
私のアドバイスの方向が間違っていないという、とても心強い言葉でもあります。
コンクールの講評で審査員の先生がお話されていたことです。
今の時代、子どもが一人で舞台に立つということが、なかなかできない経験になってしまっています。
保育園のお遊戯会は、主役が5人…
お休みされた時の保険として何人かで同じ役をすることはあるでしょうが、オーディションをするわけでもなく、やりたいと言った人数で仲良く分けっこ。
セリフを覚えていなくても、失敗しても怒られません。
頑張らなかったからといって役を下ろされることもないでしょうし、点数をつけられることもありません。
ピアノは、発表会でもコンクールでも、舞台上に1人。
弾き間違えたり、忘れてしまったり、普段起こらないようなアクシデントが起こったり、何が起きても全て自分ひとりで対処しなければなりません。
ピアノを習っている生徒たちはみんな、何もわからないような幼い頃から舞台に立ち、知らない間にそういう力を身につけていくのです。
背が伸びて私に迫ってきている姪。
足台のセットのために舞台袖へ一緒に行き本番の椅子のところまでサポートするのは、このコンクールが最後かもしれません。
次の本番は客席かな?
どこで聞いても、身内の演奏はドキドキします…