先日のブルグミュラーコンクール、部門ごとの講評で審査員の先生がおっしゃっていました。
「上達するためにはどうすれば良いか」という質問に対しての、その先生のお答え。
「レッスンで言われたことを、お家の練習で必ず改善して次のレッスンへ行くこと」です。
これは、私自身が生徒の立場で聞くと、本当に気を付けなければならないなと思うことです。
レッスンが終わった後、言われたことをすっかり忘れていて次のレッスンでまた同じことを言われる…
先生はどう思っていらっしゃるのだろうか…
呆れていらっしゃるだろうか…
学生の頃は、よくやっていました。
直したつもりで行っても、同じことを指摘されてどうやら直っていない…ということもあります。
教える立場になってわかったことですが、これは大丈夫。
練習をしてきたことはきちんと伝わっているはずですし、それでも直っていないなら次の改善策を考えるということなので、確実に前に進んでいます。
先生の立場からなら、レッスンで何人もの生徒さんを見ていて、「上達するためには」という答えとして、とても納得のいく言葉です。
1回ごとのレッスンでの違いはそれほどありませんが、数年が経つと上達の差が歴然と出てきます。
何となく上達はゆっくりペースだな…と思っている生徒さんが、いつの間にか着実に上達していて、周りの生徒さんよりも難しい曲を弾いていたりします。
宿題や課題になることの中には、すぐに直せることと、そうはいかないことがあります。
音の間違いはすぐに直さなくてはいけません。
運指やアーティキュレーションは、自分の身体に染み込んでしまっていると変えるのに時間がかかるかもしれませんが、出来るだけ早く改善すべきことです。
表現に関することは、時間がかかるかもしれません。
試行錯誤する必要があるからです。
今日解決しなかったら、明日に持ち越しても良いことです。
次のレッスンで必ず直していくというのは、より良い演奏をできるようになるためにレッスンに来ているのですから当たり前のような話です。
ですが、できていない人は結構います。
楽譜への書き込みを一週間一度も視界に入れずに練習…
見てもらえない書き込みは、レッスンを受けたつもりにしかなっていません。
1回分のレッスンが勿体ないです。
ちなみに、1回で改善できる生徒さんかそうでない生徒さんかというのは、発表会やコンクールの選曲の時に、私の中では結構重要です。
改善しようとする生徒さんには、信頼感があります。
ですから、本人が弾きたいと言った曲が背伸びした曲だとしても、一緒に頑張りましょうとお渡しできます。
なかなか直してこない生徒さんは…
想定される弾き間違いを考慮して、直らないまま本番を迎えたとしてもそれほど大事故にならない曲を探さなくてはなりません。
コンクールはおススメできないですね…