ある日、生徒さんに聞かれました。
「先生、ドレミファソの中でどれが一番好き?」
それは、どういうこと…?
質問の意味はそのままで、生徒さんは、単純にドレミファソのうち一番好きな音(ドレミ)は何か聞いてくれていました。
ドか、レか、ミか…
さすが、子どもです!
そんなこと、考えたこともありませんでした。
全ての音が平等。
例えば、「ミ」の音が好きだからと言って、「ミ」だけを贔屓して弾くことはできません。
「ミ」がたくさん出てくるから好きな曲というわけでもないでしょう。
そもそも、曲の中でどの音がたくさん出てくるか、数えたことはありません。
ただ、そう聞かれて、考えてみると、本当に全て平等なのか怪しくなってきました。
単音ではあまりそれぞれの音に対して違いを感じることはありませんが、重音になるとその違いを音以外の何かで感じることがあります。
和音だと色や明るさ、固さを感じられる気がして、和声の連結になると、その流れの中で温度やエネルギーなどを感じます。
だから、この響きが好きとか、この流れが好きとか、それは確かにあります。
どの曲が好き?を、どのフレーズが好き?どの和音が好き?というようにだんだん小さくしていくと、最終的にどの音が好き?になるのでしょうか。
一生懸命考えましたが、ドレミファソの中で順位を付けることはできませんでした。
でも、最初にみんなが習う真ん中の「ド」。
好きとか嫌いとかではなく、何となく特別な音ではあるような気もします。