先週から発表会のご案内をお渡ししています。
本番は夏です。
中学生の生徒さん、いくつか候補を出してくれました。
久石譲さんの曲集には付箋が貼られていて「これは私に弾けますか?」と希望を伝えてくれます。
昨年も同じく久石譲さんの曲を弾いています。
昨年の曲が素敵に仕上がったんだから、これも大丈夫でしょう。
何なら譜読みは昨年よりも楽かもしれません。
すると、生徒さん、昨年よりは難しい曲を弾きたいとのこと。
レベルアップしたいそうです。
素晴らしいことです。
ただ、こういう曲は、曲のレベル付けが非常に難しいです。
何となく楽譜の見た目で音符が少ないと簡単、楽譜が黒っぽいと難しそうと判断してしまうものですが、そうでもありません。
音が多ければ難しいわけではなく、曲が長ければ難しいわけでもなく…
音色やリズム感、表現というところで難しい曲もたくさんあります。
例えば、同じ曲で初級、中級、上級と3種類のアレンジが用意されていたとします。
弾けるのならば上級を…と思うかもしれません。
ですが、上級よりも初級や中級の方が素敵なアレンジになっていることも多いです。
無理やり上級にするために必要以上に音を増やしていたり、意味もなくメロディをオクターブにしていることもあります。
ですから、音が多いから素敵だというわけではありません。
むしろ、必要な音を厳選している中級の方が表現の幅があって、美しかったりします。
私がコンサートなどで弾く時には、中級アレンジに足りないところだけ自分で加えたり、少し変えたりして弾いています。
「昨年よりも難しい」を求めるのなら、ポップスは曲の難易度に関係なく弾きたい曲を弾いて、クラシックを真面目にもう1曲弾いたらどう?と言ってみました。
クラシックだからといって、全ての曲をレベル順に並べることはできませんが、明らかにこっちの曲の方が難しいということはあります。
バイエルよりもツェルニーの練習曲の方が難しいですし、ソナチネアルバムよりもベートーヴェンのソナタ集の方が難しいでしょう。
そしてクラシックの「難しい」は、とんでもなく難しいので、どこまでも登っていけます。
昨年よりもレベルアップしていたいという生徒さんの気持ちは、とても素晴らしいです。
まだ曲は決定していませんが、きっとどの曲を選んでも一生懸命に練習するのだと思います。
昨年よりも音が少ない曲だったとしても、表現の幅を広げて素敵に仕上げてくれると思います。
夏が楽しみです。