2017年8月24日

基本的にスタインウェイが苦手です

日本クラシック音楽コンクールの予選が岐阜市文化ホールであり、声楽の学生さんの伴奏をしてきました。


出番前に客席で演奏を聴いて、ホールの響きを偵察。
客席で聞くピアノの音、あんまり出ていないなーと思いながら、いざ弾いたら…

音デカ!
見事に見当外れ。
さすがスタインウェイ、音の立ち上がりが抜群。
でも、音の減衰速度も抜群…
こういうピアノを、柔らかく均等な音色でレガートで弾くのは大変難しいです。

ピアノの音量、出過ぎてるかな?
でも、客席で聞いてたピアノは全然鳴ってなかったし、近鳴りするだけ?
偵察で聴いたピアニストさんの弾き方の問題もあるかもしれませんので、自分の音がどう聞こえているか、舞台上から客席の方の音を聴かなければいけません。

どうする?
ウナコルダ(左のペダル、弱音ペダルです)、踏む?
踏んだら客席まできれいに飛ばない気もします。
こうやって考えながら弾くことは、良く聴いて冷静に演奏できていることでもありますが、行き過ぎるとただの邪念になります…

ピアノソロなら曲の持っていき方を変えるとか、テンポを変えるとかいろいろ手段はありますが、伴奏では自分だけの調整で済まないのが難しいところ。

2曲目はほとんどウナコルダを踏んで弾いてくださいとの指示を受けていましたが、1曲目の途中でも少し踏んでみました。
ほとんど変わらない…
ちょっとずつウナコルダを深くしていって100%まで踏んでみます…
若干柔らかくはなりますが、音量的にはあまり変わらず。
音の飛び方は変わったので、客席の方ではもっとまろやかになっていると思いますが。

私は、ウナコルダは、ただ単に音量を下げる目的で使うペダルではなく、音色を変えるペダルだと思っています。
アップライトピアノのソフトペダル(左側のペダル)は、音色を変えずに音量だけを変えるペダルですが、そのようなペダルがあるグランドピアノもあり、ファツィオリのピアノに4本めのペダルとして付いています。

結局、全てウナコルダを踏みながら弾きました。
ずっと踏んでいるのは、ちょっと辛いです。

初めて行ったホール。
リハーサルがないので、本番中にやってみるしかありません。

久しぶりのコンクールの雰囲気が嬉しくて、声楽の演奏を最後まで聴いてきました。
人それぞれの演奏、自分ならこうするけど…、ここは何故そんな風に演奏するの?なんて思いながら聴く演奏は、完成されたプロのコンサートよりも勉強になることがいっぱいです。

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