練習曲を弾いてきた生徒さん。
フレーズが一段落、さて次のフレーズと思ったところで手を下ろしてしまう生徒さん。
まだ続きがあるのにどうした?
確かに区切りが良いと言えば良いけれど、すっきり終わらない、何だかまだ続きそうな感じはしませんか?
リピート記号と終止線が一体化したものだと思って曲を終わってしまったようですが、この曲はまだ続きます。
次のページに続くのです。
長い曲を当たり前に弾くようになると、ページをまたいだりめくったりすることがいつものことになりますが、確かに今までのテキストでは、1ページ以内で曲が終わることがほとんどでした。
レッスンを始めたら、曲の終わりの印は早い段階で伝えています。
曲の終わりの印は「終止線」で、細い縦線に太い縦線の2本がセットになっています。
ここが来たら曲の終わり、手を鍵盤から下ろします。
D.C.で曲の始めに戻った時など、楽譜の途中で曲が終わるときには、Fine(フィーネ、ここで終わり)と言う用語が書かれます。
終止線とリピート記号が同じ位置に来ると、見た目はリピート記号になってしまいます。
今回は、これで生徒さんが勘違いしたのですね。
さて、この曲、リピート記号がある小節の左手は3拍子の3拍目(弱拍)まであります。
最後の拍まで伴奏が動くことは、あまり多くあることではありません。
もしこの音がド(主音)ならば、珍しいですがここで終わりかもしれません。
ですが、さすがにソではすっきり終わった感じはしません。
これで終わり?と、少し気にかけて欲しかったな…
そして、曲の始まりは出だしの小節が少し左にずれているものです。
文章の小さな段落の始まりのような感じです。
練習曲の場合は、ずれて空白になった部分に通し番号が書かれていることが多いです。
今回の場合も、通し番号がある曲集でした。
次の最初まで、注意して欲しかったな…
思い込みや勘違いは仕方がないことかもしれませんが、知識があれば回避することができることもあります。
何事も勉強と経験です。
この練習曲集は、ページがまたがっている曲が多いので、気を付けてね!