ショパンの曲の練習に目途がついてきた生徒さん。
もう1曲何か練習しようということになりました。
何が弾きたい?と聞いてみました。
クラシックでも良いし、そうでなくてもokです。
少し考えてから、生徒さんが「前に先生が言ってたやつ…、あれ…、あれ…」と。
あれ…とは。
「あの、あれ…、バッハのやつ」
一年くらい前に、バッハのインヴェンションを弾いてみたら?と言ったことがありました。
結局その時は、弾かずに終わってしまったのですが、それを覚えていてくれたみたいです。
なかなか渋い選曲だわ…と思いながら、バッハとショパンならとても良い並びです。
インヴェンションはまだ1曲も弾いていませんので、最初に弾くなら1番か8番、13番も良いでしょう。
どれが好き?
「ところで、バッハのインヴェンションを弾きたいの?」と聞くと、生徒さんは「いや別に…」と。
ん?
そうなの?
じゃあ何でバッハと言ったの?
生徒さんは何か言わなければと思ったそうです。
だから、自分が持っている知識の中からひねり出してきたのがバッハだったようです。
レッスンを始めてからあまり経っていない生徒さんに「何か弾きたい曲ある?」と聞いても、帰ってくる返事はだいたい「わからん」か「ない」です。
何年もピアノを続けていると、経験と共に少しずつ知識が増えていきます。
作曲家の名前、曲のタイトル…
知識が増えたことは素晴らしいことですし、何かしら答えようという生徒さんの気持ちがとても嬉しかったです。