2024年4月27日

≪今週のレッスン Vol.332 4/27≫ 両手でスタートしよう

ある生徒さん、3拍子の曲。
曲の途中で右手の四分休符をひとつ飛ばしてしまいました。
すると、そこからずっと左手は楽譜通り、右手が1拍はやく、両手が綺麗に1拍ずれたまま弾いています。

どういう状態?
器用すぎませんか?

右手と左手、それぞれの動きだけになってしまっているのでしょう。
それは演奏ではなく、運動。

演奏するということは、指を動かすことではなく、響きを作ることです。
この生徒さんは、両手の響きが一体化しておらず、そしてそれを聴いていないということです。
きちんと音を聴きながら弾いていたら、ひとつ間違えたとしても良い所で自然に合ってくるはずです。

この生徒さん、少し前に、右手だけ弾いてきたと言ってレッスンに来ることが度々ありました。
聞けば、右手を練習して弾けるようになってから左手を練習して、片手ずつ弾けるようになってから両手で合わすという練習をしているようなのです。

完璧でなくても良いから、新しい曲をいきなり両手で弾き始めるようにしましょう。
右手だけ全部練習してくるくらいなら、両手で半分の方が良いです。
全部でなくて良いから、とにかく両手で練習をしましょう、と伝えていました。

片手ずつ練習を始めると、とても効率が悪いです。

両手での譜読みが普通になると、ピアノの大譜表(五線2段)が一度に視野に入るようになり、両手を一気に読めるようになります。
片手ずつ読んでいると視野はいつまで経っても1段分にしかなりません。

そして、片手を弾いている時に、もう一方の手の響きが頭で補完されているのならまだ良いのですが、そうでなければ、耳の使い方も勿体ないことをしています。
右手の響き、左手の響き、両手になったらまた新しい響きに出会うことになり、3倍の時間がかかってしまいます。
それなら最初から、両手で縦の響きを習得してしまった方が効率的です。

そもそも、いつも右手と左手にパートが分離しているわけではありません。
右手でメロディと伴奏の両方など、2つ以上のパートを弾いていることもあれば、真ん中のパートが両手に入り組んでいることもあります。

もちろん、片手ずつの練習も必要です。
でもそれは譜読みではなく、部分練習。
演奏をより良くするために片手ずつ練習するのです。

どうしても片手から譜読みをするなら、伴奏のパートがある方の手から始めるべきでしょう。

今回の曲は少し難しいので、片手ずつ練習を始めたのでしょう。
何とか弾きこなそうとする姿勢はハナマル!
少しずつ両手からの練習に変えていけると良いですね。

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