発表会の曲をレッスンしていて、最近すごく思うことがありました。
なぜ、終わり方がそんなに素っ気ないの?
終わり方が美しくないと、せっかくの演奏をマイナスの印象にしてしまいます。
曲の終わりを知っていますか?
生活の中にはたくさんの曲があふれています。
買い物をしていても、テレビを付けていても、ずっと音楽は流れています。
その曲の終わりを知っていますか?
スーパーのBGMはきちんと聞き取るための音楽ではないので、曲の終わりに気付いていないかもしれません。
短い動画を次々に見られるサイトがあります。
動画が変わる度にBGMになっている曲はコロコロと変わります。
その動画内に完結する音楽は少ないでしょう。
YouTubeには演奏動画がたくさんあって便利ですが、途中で見るのをやめようと思えばいつでもオフにすることができます。
ゆったりとおさまるように終わるのか、盛り上がったまま華やかに終わるのか。
ブレーキをかけるのかかけないのか。
ピアノの演奏をきちんと最後まで聞いたことがありますか?
曲の始まりから終わりまで、演奏している姿を見たことがありますか?
その演奏をどう終わるのかは、楽譜には書かれていません。
演奏者がふさわしい終わり方を決めなければなりません。
曲の終わりに、rit.(リタルダンド、次第に遅く)などの指示が書かれていることもありますが、それをどれくらいかけるのかは演奏者が考えなければなりません。
rit.と書かれていなくても、rit.をかけることも普通にあります。
ふさわしい終わり方ができるかどうかは、どれだけ曲の終わりを知っているかの経験の量だと思います。
曲の終わりに無頓着な生徒さん、一人ではありません。
きちんと最後まで責任をもって演奏を終えられるように。
弾く経験、聴く経験、たくさんの経験をして生かしていって欲しいです。