教室の発表会前日。
今年も、びわ文化学習センター(リュートプラザ)のホールでの開催です。
昨年まではカワイのピアノしかなかったのですが、近くのホールからヤマハのCFが移動されてきたということで、どちらにするか選ぶことになりました。
少し触ってみて、調律師さんと相談し、ヤマハを使うことにしました。
カワイのピアノはピアノ庫に収納されていたのですが、ヤマハのピアノはステージ裏…
反響板の設置が終わるまでの間、とても暗い所で調律を始めていただきました。
ホールの方が反響板を設置してくださいます。
切れている電球を付け替えてくださるとのことで、大きな脚立!
とても高いところの作業です。
気を付けて~
反響板が設置されてからは、舞台上で調律をしていただきました。
調律が終了した後、練習に来られた大人の方に演奏していただき、客席をうろうろしながらピアノの音を聞きます。
悪くは無いけれど、何となく飛び方にムラがあります。
良く飛んでいる音域とそうでない音域があるようです。
ピアノを30cmほど奥に移動してはどうかと聞いてみました。
すると、少し具合の悪そうな顔をされるホールのスタッフさん。
この舞台の一番前の端から少し奥に、横に長く床材の切れ目があります。
ここの下には空洞(演出に使ったり収納したりできるように?)があり、それがちょうどピアノの下にあたります。
そこの床は蓋になるため前後の床と繋がっておらず、つまり、床どうしで響きを共有することができないということです。
ここにピアノの脚を全て乗せてしまうと、ピアノの脚から伝わる振動からホールの床を共振させることが全くできません。
ホールの方は、手前の床だけでも響かせようという思いで、ピアノの高音部の脚を手前の床の上になるように置いているとのことでした。
ただ、この場所だと、ピアノの高音部30cmほどが反響板から手前に出てしまっています。
舞台の下の空洞の中には、蓋の下に縦に柱になっている部分があるようです。
調律師さんのご提案で、響板側の脚をその柱の上に置く位置に移動してみました。
客席で音を聞くと、悪くありません。
よく響いていますし、音色にも幅を付けられそうです。
私はこの場所が気に入りました。
ただ、どこに音を飛ばすか、音色のコントロールは必要で、響かせるのは難しいかもしれません。
ピアノを全て空洞の蓋の上に乗せてみました。
客席へ下りると、良く音が飛んできています。
恐らく、反響板の位置との関係でここが一番飛びそうです。
ただ、あまりにも良く飛び、音が細いピアノなので、柔らかい音は少し難しそうです。
調律師さんの再度のご提案で、ピアノを思い切り舞台の手前に置いてみました。
こんなに手前なことある?という場所です。
後ろにオーケストラを置けそうです。
細めのピアノの音はまろやかになり、客席の響きはとても美しいです。
ただ、演奏者の後ろへ行くと、全然音が聞こえません。
この場所だと、反響板の中にピアノはありません。
弾いても弾いても音がどこかへ吸い込まれる感じ。
体育館で合唱の伴奏をしていた中学生の頃をふと思い出しました。
とても弾きにくいですし、自分の出した音がどうなっているのか全くわかりません。
演奏者と客席でこんなにも聞こえ方が違うのは良くないでしょう。
結局、蓋の上に全てのピアノの脚を置く3つめの位置にしました。
子どもたちの演奏も美しく響き、客席の隅々まで届いていたと思います。
ホールのスタッフさんや調理師さんにいろいろとアドバイスをいただきながら、何パターンも試させていただき、とても楽しかったです。
そして、とても興味深く勉強させていただきました。
会場やピアノが変われば、また変わってきます。
何事も経験からの勉強です。