8月のはじめにチラシを見つけました。
乱れることなく敷き詰められた文字に華やかな装飾。
4線の楽譜はネウマ譜でしょ?
音楽史の授業で出てきた中世の楽譜の美しいこと!
記譜法について調べるために買った本にも、ネウマ譜が載っていました。
楽譜とその周りに施された装飾が素敵で、これは今となっては演奏するためよりも飾るための楽譜だな〜なんて!
日帰りで東京。
国立西洋美術館で『内藤コレクション 写本-いとも優雅なる中世の小宇宙』を観てきました。
印刷技術が発明される以前の中世ヨーロッパにおいて、本は人の手で書き写して作られるものでした。
写本は、信仰を支えたり、知識の伝達を担ったりする大切な媒体です。
動物の皮を薄く加工して作った紙を用いて文字を写し、そして華やかに装飾を施されました。
展示室の一番初めに、写本の制作過程を解説した短い動画がありました。
予想通り、とても大変な作業で、時間もかかりそうです。
きちんとガイドラインを引くところから始まり、羽ペンで一文字ずつ手書きされます。
豪華なものは、装飾がテキストのまわりを囲みます。
細かく正確な作業です。
印刷技術のない時代ですからもちろん手書き、量産することはできません。
顔を近づけて見なければいけないくらい小さく、敷き詰められた文字たち。
紙が高価な時代に、できるだけ省スペースでたくさんのことを伝えるためにこうなったそうです。
各段落は、イニシャルという大きくデザインされた文字から始まります。
高校生の時の音楽史の授業で「ネウマ譜」を知りました。
楽譜が五線になる前の4本の線に四角い音符が書かれた楽譜です。
赤色で書かれた楽譜に、周りの豪華な装飾が凄く美しいです。
4本の線の中に、音符となる菱形が歌の抑揚に合わせて書かれています。
各段の左端には音部記号と思われる印があり、段によって4線のどの高さに書かれているかが違います。
今で言うハ音記号のようなもので、4線からはみ出ないように基準を上下させているのだと思います。
ほとんどがキリスト教の信仰にまつわる物でした。
こういうのを見るたびに、もっときちんと聖書を勉強すれば、もっと面白く見られるのに…と思います。
信仰とは関係なく知識として。
この後、品川のWHAT MUSEUMへ行って、建築の展示を観てきました。
羽田空港が近くて、大きな飛行機のお腹を下から見られて大興奮!
いつかまたパリへ行けることがあったら、美しい写本を1枚買いたいです。
できれば楽譜の…
いくらくらいで売られているのでしょうか。
今回の展示の中には、セーヌ川岸の露店で買われた物もあるそうです。
昨年の夏に行った時にはお店は全て閉まっていました…