2025年1月22日

2つの美術展と2つのコンクール

パナソニック汐留美術館で開催されていた『ベル・エポック ー美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケル コレクションを中心に』
最終日にちょうど2時間の隙間ができたので行ってきました。


純粋な美術作品ももちろんあるけれど、装飾品に広告に書簡に…
当時の様子を窺えるような展示で、見れば見るほど知識が増えていく気がして楽しいです。

お洒落で素敵で、生き生きとしていて、それぞれの人生を楽しまれていたんだろうなと感じます。
美術、文学、服飾、音楽、舞踊、演劇…
いろんなジャンルが混じり合っているので、この人は何の専門の人?とお客さんたちを見ながら考えます。

私は音楽の人。

この日はピアノのコンクールで、演奏した後、講評と結果発表までの間の時間でした。

シューマン『ピアノソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11 第1楽章』
大失敗もなく弾いたから、でも何か賞を貰えるかも~という期待もなかったので、何も気にすることなく落ち着いて展示を見られました。

結果発表。
賞を貰える期待がないと言いながら、私にしては良く弾けた方だったので、本音は一番下の賞にでも引っかかったら嬉しいな~と。
最初に呼ばれるのはディプロマ賞。
ここで名前を呼ばれず、少しがっかり…
すると、銀賞で名前を呼んでいただけました。

銀賞3人。
今年は金賞がお一人だったので、2位か3位か4位ってこと?
そんなの私がいただいて大丈夫なの?

嬉しい賞状と盾のお土産。


昼過ぎに東京に入って夜には帰ります。
半日しかないのに、コンクールと美術館を満喫して最高な1日〜とか思いながら帰るのです。
帰りの新幹線が激込みで、まさかのデッキに立ち乗りだったので、この結果がなければ疲れで気分が悪くなって大迷惑をかけていたかもしれません…

基本的にあまり練習しない私は、コンクールだと、1曲に驚くほどの期間をかけて練習します。
長く付き合った曲、講評にも結構良いことを書いてくださっていて嬉しかったです。

ずっとフランスものを弾いていません。
弾きたい気持ちはあるけれど、たぶん当分は弾かないでしょう。


さて、チケットを買っていたのに、急な予定変更で行けなくなってしまっていた展覧会が一つありました。
閉幕まで1週間。
東京です。
どの日も仕事があり、1日空いている日なんてありません。
もう行けない…
京都へ巡回してくるので、展覧会自体はたぶん見られますが、チケットがもったいなく、張り切って先回りして買わなければ良かったわと反省…

数日後。
横浜へ行く予定の日です。
お昼頃に最寄りの駅まで送ってもらう予定でいたのですが、2時間も早まって大急ぎで支度して出発!

???
ってことは!
東京に行けるやーん!
新宿でしょ?
横浜へ行く前に行けるわ!

ということで、張り切って観てきました。
SOMPO美術館で『カナレットとヴェネツィアの輝き』
今度はイタリアです。


「グランド・ツアー」という言葉は、数年前のラフォルジュルネで知りました。
イギリスの上流階級の子弟たちが、数ヶ月から数年をかけてヨーロッパ各地を巡る旅行のことです。
羨ましいです。


凄く緻密に描かれたヴェネツィアの街。
写真のなかった時代に、ポストカードを購入する感覚で旅の記念に持ち帰る絵画です。
本当は一つの視点では見えない建物を同じ画面の中に入れてしまうというのは、凄く欲張りだけれどお得な気もします。
お土産ですし。


ヴェネツィアの実際の風景が頭の中にあればもっと楽しく鑑賞できたのでしょう。
ヴェネツィアへ行きたいな~と思いながら、今から行くのは横浜。

横浜でもコンクールを受けてきました。

実は前日に凄まじい体調不良になり、当日もフラフラのまま新幹線に乗りました。
大事な体力…と思いながらも、興味に勝てずに美術館へ行ってしまう私。
もちろん前日にピアノは弾けていません。

あまり大きな声では言えませんが、普段から練習はあまりしない方だし、数日弾かないことも普通にあるので、特別今回だけ弾けていないわけではありません。
平気!平気!と思って何も心配せずに舞台に出て、お辞儀をして座ります。
左手の伴奏から始まりますが、弾き始めてビックリ!

今日の私って、こんなに力がないの?
黒鍵の上に乗る左手の指は生まれたての小鹿の足くらい不安定でガクガク。
骨はどこへ行ってしまったの?
体重を乗せようと思ってもそれに耐える力は手のひらにも指先にもありません。
骨どころか肉までなくなってしまったの?

やばい~!
私の指、どこ?

11分の曲です。
これでは11分ももちません。
分数カットがありますので、7分半ほどで切られるはずです。
それでも開始30秒ほどで、絶望…

水分もうまくとれていなかったので喉がカラカラ。
むせそうです…

新幹線に乗って電車に乗って、駅からそこそこの距離を歩いて来ました。
普通に移動してきたのに、ピアノは普通に弾けないの?
大きなパッセージも速いパッセージも、いつも通り弾けているのか空回りしているのか、聞こえてくる音は大丈夫そうなのに自分の身体がいつも通りでないせいで、よくわかりません。

最後まで練習しているのだから最後まで聞いてよー!と、いつもはそう思うのですが、今回ばかりは有難くて仕方ない演奏終了のお知らせ。
お辞儀をして帰りました。

予選、本選と順調に通過して全国まで行っても、そこで順位が付かなかったら正直何の経歴にもなりません。
残念ですが、感覚的には予選落ちと同じような立ち位置になってしまうわけです。

結果は当日中にホームページに掲載されます。
帰りの新幹線で開いては、まだか…を繰り返し、結果は5位でした。

う〜ん
微妙…

またか…
以前も5位でした。
進歩なし?

以前に5位をいただいた時は、自分に順位を付けてもらえると思っていなかったので、私なんかがいただいていいの?なんて大喜びしていましたが、もう今は5位では満足できなくなってしまったようです。

欲深いです。
でも、この欲を進歩と言うのなら問題なしです。

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