京都文化博物館で開催されている「和食」展を観てきました。
2023年の年末に東京で開催されているのを知り、これは興味ある!と思ったけれど、きっと1人で行くよりも誘った方が楽しいぞと思い、巡回を調べたら京都であるとのこと。
2025年?
先過ぎない?と長々と待っていた展覧会が、やっと京都へ来ました。
期待が大き過ぎたのかもしれません。
美しい芸術品もなければ、面白いアトラクションもなくて、それはそうだわという感じですが、図解がわかりやすい解説本を読んでいるような展示でした。
約1年半の待ち時間で、私の想像ではご飯の良い匂いがする展示になっていたようです。
展示の最後に問いかけがありました。
和食か和食でないかの線引きはどこ?
あなたは、これは和食だと思いますか?
オムライス、とんかつ、焼きそば、コロッケ…
照り焼きバーガーは和食か洋食か。
バンズもパティも洋食ですが、味付けの照り焼きは和食です。
そもそもバーガーは洋食ですが、発祥は日本。
でもその時に既にアメリカに照り焼き風ハンバーグがあったようです。
何かをきっちりと分類するのは難しいです。
要素があればあるほど、何をもって分けるかというパターンも増えるわけです。
音楽をしていて聞かれて答えに困るのは「クラシック音楽とは?」ということです。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、ドビュッシー、ラヴェル…
完全にクラシックだと言えます。
ですが、何を以てクラシックと言うのか。
ショパンの中にも現代のポピュラー音楽に出てくるような和音の響きはあります。
ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」に歌詞が付きました。
ガーシュウィンは、ジャズとクラシックを融合したと言われています。
じゃあ、これはどういうジャンルなのか。
その時々の演奏によって、クラシック寄りになったり、ジャズ寄りになったりするのか…
ベートーヴェンの「エリーゼのために」を今時の楽器でポップに、でも1音も変えずに演奏したら、それはどのジャンルなのか…
ピアノの曲、ヴァイオリンの曲、ギターの曲…などと、実際に演奏している楽器で分けるのは、わかりやすいです。
ですから、事実として、曲の構成がこうであるなら、このジャンル、ここがこうならこのジャンル、と何か定義があればはっきり分けることができます。
ですが、「聞いた感じ」というアバウトなことに基づいた音楽の分類は難しいです。
食の話に戻りますが、私の感覚では、照り焼きバーガーが和食って変よね…という感じです。
でも、とんかつは和食な感じ…
肉をスライスしてパン粉をつけてバター焼きにしたフランス料理の「コートレット」が、日本で「カツレツ」となり、今のとんかつになっているそうです。
もう「洋食」という言葉が「和食」の中のひとつの分類として存在している気もしますが…