2016年12月29日

≪まごいちピアノ日記 No.003≫ Kimball (GP)

キンボールの練習室。


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Kimball
(キンボール ジャスパーコーポレーション)
1857年、アメリカ/シカゴ
1995年にGP、1996年にUPの製造を中止
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キンボールはアメリカのピアノです。
量産型の比較的安価なピアノメーカーで、一時期は年間2万台のピアノを製造し、かつてはアメリカの3大ピアノメーカーの一つでもありました。

1959年にオフィス家具メーカーのジャスパーコーポレーションに買収され、現在、ピアノの製造はされていません。

借りたピアノ
■2014年6月15日 大阪市北区
■機種:キンボール 170
■製造番号:不明 (1973年製)
■部屋の広さ:不明・狭い (3畳くらい?)

弾いてみると、これがビックリ!
88鍵盤のトイピアノかと思いました。

音色が細くて薄い金属音なのとか、何と無く鍵盤の沈む深さが浅い気がするのとか、鍵盤の丸みとか、全部がトイピアノっぽいのです。
中途半端にやさしく打鍵すると音が鳴らないのもトイピアノと同じ。

音が伸びなくてすぐに減衰するので、全部の音が前に出てきてしまいます。
次に弾く音を発音するタイミングが悪いのがよくわかりました。
繊細なタッチには対応しきれないと思ったけど、割と音自体が繊細だったりするので不思議です。
一見ジャズ向きのようですが、ちゃんとクラシックを弾けます。

弦が響く金属っぽい細い音がするので、スタインウェイに似せているのかと思いましたが、練習室のオーナーさんに聞けば、ベーゼンドルファーを傘下に持っていた(1967年に買収)メーカーらしく、しかも昔のベーゼンドルファーの設計を使ったとのこと。

全然ベーゼンドルファーらしくなかったですが…

とにかく、普通のピアノと思って弾くとビックリするし、どんなピアノとも比べられないです。
普通じゃないと思っても、数分弾いていたら、どんどん「普通のピアノ」に近づいてきて、それがまた勿体無いような感覚もあったり。

ここのピアノは、そろそろハンマーが寿命で、オーバーホールする必要があるらしいです。
確かに、そう言われれば、使い込まれた感じはありました。
でも、ハンマーを変えて、この音色が無くなるのもさみしいような…

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