2016年12月4日

南無阿弥陀仏を歌う

今日は、朝から御取越(おとりこし)でした。

ご先祖様のことをほとんど知らないので、仏壇に手を合わすことも滅多になく、お仏壇に向かうのは法事の時くらいです。
お経は読めません。
仏教の宗派もよく知らなかったのですが、どうやら真宗大谷派のようです。

朝の8時から流れるお経。
まだ眠たい私には子守唄のようです。

お経を読んでいるのは、私の一つ年上の近所のお坊さん。
この辺りでは、住職さんのことを、「ごえんさん」と呼んでいます。


ところで…
私たちが演奏するほとんどの曲、クラシックはもちろん、ポップスも演歌も、元を辿れば西洋音楽です。

私たちが鑑賞の対象とする最も古い音楽は「グレゴリオ聖歌」です。
グレゴリオ聖歌は、ローマ・カトリック協会が神を賛美するために用いる典礼音楽です。
グレゴリオ聖歌に端を発して、西洋音楽のいろんな作曲法が生み出されたり、楽譜が出来上がったりしました。

聖歌から西洋音楽が始まったように、仏教の世界にも、仏典に節をつけた「声明(しょうみょう)」という仏教音楽があります。
声明は日本の声楽曲の原点とも言われ、雅楽から誕生した「今様」や、箏曲の歌にもつながります。

グレゴリオ聖歌と声明は、ともに芸術音楽につながる源泉と言われています。

話を御取越に戻すと…

私は、お経を読めませんので、何となく周りに合わせて読んでいる雰囲気を醸し出すだけですが、漢字の右側に書いてある横棒で何となく読み方がわかります。


「な~むあ あ~みだ~ぶ~」

引き伸ばされた母音に数多くの音を当てはめて装飾的に歌われることを、西洋音楽では「メリスマ」といいます。
「佛」のところなんて、完全に「メリスマ」ですよね!
「ぶ~ぅ う~ぅ~ぅ~ぅ~」


お坊さんの独特な声。

オペラに「ベル・カント唱法」という専門の歌い方があるように、お坊さんが読むお経にも発声法などがあるのでしょうか…

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