ロベルト・シューマンの妻クララ・シューマンが愛用したピアノです。
ドイツでは、Grotrian‐Steinweg (グロトリアン・シュタインヴェーク)ですが、スタインウェイ・アンド・サンズとの「Steinweg」に対する商標権の問題で、ドイツ外への輸出の際には、GROTOLIANを使用しています。
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Grotrian‐Steinweg
1835年、ドイツで最初のピアノを製作
ドイツ/ブラウンシュバイク
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George Friedrich Carl Grotrian(ゲオルク・フリードリヒ・カール・グロトリアン)と、H.E.Steinweg(ハインリヒ・シュタインヴェーク)が1835年にドイツでピアノを製作します。
その後、グロトリアンは、ハインリヒの息子テオドールと、ピアノの製作会社を設立しました。
テオドールは、アメリカへ渡った父ハイリンヒを追って1865年にアメリカへと旅立ち、その際に、株式をグロトリアン家に売却しました。
その数年後に会社を引き継いだヴィルヘルム・グロトリアンが息子たちに言った言葉です。
「Boy’s build good piano and everything else will take care of itself.」
(良いピアノを作れば、すべてうまくいく)
グロトリアンの社訓です。
以後、創業者一族が、100年以上に亘って技術と伝統を守り続けています。
ちなみに、ハインリヒ・シュタインヴェークは、アメリカへ移住して名前をスタインウェイに改め、自身の会社を設立します。
それが、スタインウェイ・アンド・サンズです。
借りたピアノ
■2014年8月11日 東京都文京区
■機種:GROTRIAN 208型
■製造番号:159378 (2002年以降製造)
■部屋の広さ:8畳
借りた練習室のグロトリアン、あまり音が飛びません。
角が無く、すっきりしない音です。
調律しておられたお店のお姉さんに、グロトリアンってまろやかな感じのピアノですか?近くで鳴るピアノですか?と、聞いてみました。
すると、そんなことないとのこと。
それで、同じ大きさのグロトリアンを店頭で弾かせてもらいました。
借りた練習室の中と全然音が違います。
明るい音で遠くまですっきり音が飛んでいきます。
練習室では、鍵盤から指を離すと同時に、何事も無かったかのように音が消えました…
狭い部屋(そんなにギチギチには感じませんでしたが…)なので、すごく吸音しているのだとおっしゃっていました。
この練習室の中では、全体的にまったり、ゆったりした音楽が出来上がります。
あたたかくて、耳に馴染む音。
グロトリアンは、人が歌うような優しく豊かな音色で「シンギングトーン」と言われているそうです。
勢い良く飛ぶ音ではないので、近くでうっとりしながら弾く感じ。
同じグロトリアンでも、置かれる環境によってこんなに違いが出るのですね!
本当は11時オープンのお店なのですが、無理を言って早く開けていただきました。
ありがたいです。
帰りに、グロトリアンのポストカードと便箋をくださいました。
入れてくださったクリアファイルがベヒシュタインロゴなのにもちょっと感動!
ピアノを弾くというのは、記憶にしか残りませんが、こうやって少しずつお土産物がたまっていくのが嬉しいです。