創業からわずか20年あまりで、国際的なコンクールでも公式に使用されるピアノになり、世界最高峰のピアノメーカーとなりました。
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FAZIOLI
1981年、イタリア/サチーレ
パオロ・ファツィオリによって創業
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現在、入手可能なピアノの中で最大となる全長308㎝のグランドピアノには、ペダルが4本あります。
ハーフブローペダルと呼ばれる4本目のペダルは、踏むとハンマーが弦に接近し音が弱くなりますが、これはウナコルダ(通常一番左のペダル)のように音色が変化することがありません。
ペダルを踏むと鍵盤も下がります。
通常、鍵盤が沈み込む深さは10㎜ほどですが、それが7㎜ほどになるそうです。
響板には、工場近くのフィレンメ渓谷のスプルースを使用しています。
ストラディヴァリウスなどのヴァイオリン製作者が木材を調達していたのと同じ場所で、ここには、成長が遅く年輪が詰まったスプルースが豊富にあります。
現在も手作りにこだわっているため、年間の製造台数は、僅か130台ほど。
お値段、奥行き183㎝の家庭用モデルで1千万円近くする超高級品です!
私がファツィオリというピアノを知ったのは高校生の時でした。
日本で初めてファツィオリを入れた栗東芸術文化会館のホールでの演奏会(確かファツィオリを入れた記念のコンサートだったような…)です。
初めて弾いたのは大学生の時。
楽器店で弾かせていただいたファツィオリは、まろやかな暖かい音でとても心地良く、そして肉厚な響きがして、一瞬で大好きなピアノになりました。
そんなファツィオリを、思う存分弾ける機会がありました。
借りたピアノ
■2014年10月8日 滋賀県栗東市
■機種:FAZIOLI F278
■製造番号:不明
■部屋の広さ:栗東芸術文化会館さきら 大ホール (客席810席、残響1.7秒)
コンサートホールのステージでフルコンで練習できる催しを見つけ、1時間借りてみました。
一週間後に本番があり、曲がほぼ仕上がっている時にちょうどステージで練習できるなんて絶好の機会です。
借りるピアノは、ファツィオリかベーゼンドルファーかどちらかを選べるので、ピアノの先生に相談したら、ファツィオリなんてめったに触れられないから遊んできたら?と。
本番のピアノはヤマハです…
ステージの上にファツィオリとベーゼンドルファーが並んでいます。
ここのホールのファツィオリも、丸みがあって上品な音です。
どんなジャンル、どんな曲を弾いてもまとまり、決して金属音がしたり尖ったりすることがありません。
よく歌うピアノで、少し悲しいような音は絶妙です。
ブラームスの『6つの小品 op.118』のうちの3曲を練習しました。
1番と2番はとても弾きやすく、ぐぅーっともっていくような厚みのある盛り上がりの表現を楽に自然にできます。
3番は微妙…
ピアノ自体の余韻がとても長く、加えてホールの空間の響きもあるので、家の調子で弾くと音が密集してわけがわからなくなります。
少しゆっくりめにする必要がありそうです。
ホールの音をちゃんと聴いて音楽に乗れば、すぅーっと曲が進んでいくという経験。
すごく楽しかった!
無理やりな弾き方をしたら、絶対不自然になるということが良くわかりました。
客席には誰もいないのですが、ステージの上というだけで、ちょっと緊張。
いろいろ気になってしまうのです…