2018年10月30日

調律師さんに会いに

岡崎にあるグランドギャラリーさんへ行って来ました。
1年ぶりです。
調律師さんに会うためです。


グランドギャラリーは、信じられないほどたくさんのピアノがあるお店。
ショールームの他に作業をされる部屋や倉庫があります。
国外へ輸出されるピアノもたくさんあり、店先には長い貨物トラックが付けられていました。


入口の電話で着いた旨を伝えて、4階のショールームへ。
エレベーターが開くと、立派なグランドピアノがたくさん。


メインのフロアには、ヤマハ、スタインウェイ、ベヒシュタイン、ブリュートナーが展示されていました。

調整されているピアノをいくつか触らせてくださいました。
調律師さんの好みか、軽く明るい音色のピアノに仕上がっていました。


調律師さんとお話をすると、ピアノのことをたくさん知ることができます。
驚いたのは、スタインウェイやベヒシュタインのフレームがとても良く響くこと。
弦の上を走る銅の部分を拳で叩くと、ドーンという音がします。

スタインウェイの低音は、止音の動作をしてから実際に音が止まるまでに時間がかかると教えてくださいました。
ダンパーによってすぐに音が止まるのではなく、dim.しながら消えていきます。
まるでコントラバスのピッチカートのようです。

石造りの建物や音楽ホールのように良く響く空間では、ピアノの響きが終わってからも空間の振動があるのですが、楽器自体で残響が作られているとは知りませんでした。


隣のフロアのたくさんのピアノを見せていただいている間、調律師さんはハンマーに針を刺して、音色を整えていらっしゃいました。


脚を見るだけで古いピアノなのがわかります。
100年前のベヒシュタインです。
ペダル脚が弱くなっているのか、ガクガクして少し怖い…
懐かしい感じの音がして、思わずバロックの音楽を弾きたくなります。

ハンマーに針を刺すのは、ハンマーを柔らかくするだけではなく、雑音を消すためでもあるそうです。
ここで調律師さんが言う「雑音」とは、好まれない倍音のこと。
不協倍音をなくすことで、クリアな音になるそうです。

以前、オクターブのピッチがしっくり来ず、ある調律師さんに「調律したてなのですがピッチがずれているような気がするのです…」と相談したのですが、「ずれていませんよ」と言われてしまいました。
音階を弾いてもずれているような音には聞こえないのですが、オクターブで重ねると違和感があるのです。
もしかしたら、この倍音の処理をしていただくと、美しく重なるようになるのかもしれません。

今回見せていただいた中で個性抜群だったのは、キッチンピアノ。
低音側の台の部分は、きっとまな板を置いてカットする所なのでしょう。
右側は棚になっています。


お絵かきされたピアノもありました。
最近はストリートピアノなんかで、派手に装飾されたピアノもよくあります。
一度ピアノに自由にお絵かきしてみたいですね!

一番安いアップライトピアノっておいくらですか?と聞いたら、30万円ほどと言われました。
以前、あるお店で10万円を切る中古ピアノが売られているのを見かけたことがあるのですが、やはり弾くためのピアノとなると、30万円が最低ラインということでしょうか…

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