響板側にネットが張られた、とても古そうなアップライトピアノがありました。
蓋を開けると、白鍵の上面がありません。
象牙の鍵盤が貼られていたのでしょうか。
ワシントン条約で象牙の輸出入が禁止されていますので、国をまたぐ際に剥がされたのかもしれません。
中を開けると、立派なフレーム。
たくさんの年号と土地の名前、それから肖像。
「SEILER」と言うと、ドイツ/リーグニッツ(現ポーランド/レグニツァ)でエドワード・ザイラーが1849年に創業したピアノメーカーがあります。
このアップライトピアノの鍵盤蓋には「ED. SEILER」と書かれていますが、同じザイラー社のようです。
これから白鍵が貼られ、中身も外面もピカピカになって、またどこかで弾かれるようになるのでしょうか…
木目が美しいピアノでした。