2018年11月10日

≪今週のレッスン Vol.50 11/10≫ 和音の響きを聴こう

今週のレッスンの記事では、カデンツのことをよく書きますが、今回もカデンツと和音の響きの話。

レッスンでは、課題の曲のカデンツ(和音のつながり)を必ず弾きます。
まず始めはハ長調。
ヘ長調、ト長調と調号が増え、イ短調…
「今弾いたカデンツは何調?」「この調の調号は何?」など、聞きます。
毎回聞くので、今では聞かれる前に「ヘ長調弾きます!調号はシの♭!」と言ってくれる生徒さんもいます。

「今弾いている曲は何調?」と質問します。
一般的には、何調かを判断するのには、調号と終わりの音や和音を見て考えます。
もちろん、調号や終わりの音も見ますが、レッスンでは、曲中でどんな和音を弾いているのかを考えて、何調か判断してもらうようにしています。
曲の途中、調号はそのままで、一時的に調性が変わっていることもあります。
そんな時も、カデンツが理解出来ていれば、何調なのかわかります。

和音の響きを良く聴いて味わって弾きましょう。
ⅣやⅤの和音では終わる感じがしませんが、Ⅰの和音ではきちんと解決して終わります。
「最後のⅠは終わりだと思って弾こうね」と言うと、落ち着いた感じで弾いてくれます。
ある小学生の生徒さんは、短調のカデンツを本当に悲しそうな音色で弾いてくれます。

カデンツはずっと宿題になるので、どんどん手に馴染んできます。
旋律も大切ですが、曲の構成には和声(和音のつながり)も大切な要素です。
カデンツを習得しておくことは、新しい曲をたくさん弾くよりも大切なことです。

曲によっては、これといってはっきりとした旋律がなく和音の響きのつながりで進んでいく所がある場合もあります。
このような場所は、和音の移り変わりを味わいながら弾かなければ、曲に色をつけることはできません。
旋律を歌いながら弾くのは割としやすいことですが、和声だけを歌うのは簡単なことではありません。
日頃から、和声に対して、続く感じや終わる感じ、広がる感じや暗くなる感じや、いろいろ感じながら弾いて欲しいと思います。

この和音と次の和音、どう変わった?
明るくなった、こっちの方が悲しい…
もちろん正解はないので、その人が感じたように弾けば良いと思います。
良くないのは、何も感じずにただ音を並べること。

感じたことを音にするから、同じ曲を弾いても弾く人が違うと全く違うように聞こえるのです。
生徒さんたちはそれをやってくれるので、同じ曲でも弾く人が変わる度に新鮮で楽しい。
あぁなるほど!そういう弾き方もあるのか!と生徒さんから学ばせてもらうこともたくさんあるのです。

では、次回のレッスンで!

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