2018年12月26日

嫌いなことを知ることは

ベートーヴェンの「ピアノソナタ 第23番 ヘ短調 作品57」。
「熱情」というタイトルが付けられた曲です。

これを練習しているのですが、どうも上手く消化できず。
練習すればするほどわからないことだらけで、どんどん深い穴に落ちていきます。

テクニック的にももちろん難しい曲なのですが、そういうことではなくて、どう弾き込んでいけばいいのかがわからないのです。
いくら指が動いても、音楽を作れないのです。
音色も違う気がするし、フレージングも違う気がするし、もはやテンポもわかりません。
そもそも、ベートーヴェンの思考が全くわからない…

楽譜を読みこんでも、本を読んでも、全然わかりません。
CDを聴くと、本当に素晴らしい曲で、本当に素晴らしい演奏です。
ですが、良いと思った演奏を真似して弾いてみても、しっくりこず。

これでは、弾くのが嫌になります。
悪循環。

みんなどう弾いているのだろう。
とりあえず聴いたことがないピアニストの演奏を…と、図書館でCDを借りてきました。


早速、車の中で再生。

CDの最初の曲は「ワルトシュタイン」でしたが、全く好みではない演奏。
失敗したなーと思いつつ、早送りができないので我慢しながら順番に聴きました。
やっと最後に「熱情」。
出だしから、やっぱり好みではありませんでしたが、最後まで聴きました。

そんなテンポで弾くの?
なんでそんなフレーズの取り方するの?
なんで?
なんで?
なんで?がいっぱい。

「嫌いなことを知ることは、好きなことを知るってことなのよ」
私が尊敬するピアノの先生の言葉です。

何故おかしく聞こえるの?
私ならこう弾くのに!

そう思うと、自然と方向が決まりました。

好きなものばかり食べていてはいけないのかもしれません。
もしかしたら、好きなものからよりも、嫌いなものから得ることの方が多いかもしれません。

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