「熱情」というタイトルが付けられた曲です。
これを練習しているのですが、どうも上手く消化できず。
練習すればするほどわからないことだらけで、どんどん深い穴に落ちていきます。
テクニック的にももちろん難しい曲なのですが、そういうことではなくて、どう弾き込んでいけばいいのかがわからないのです。
いくら指が動いても、音楽を作れないのです。
音色も違う気がするし、フレージングも違う気がするし、もはやテンポもわかりません。
そもそも、ベートーヴェンの思考が全くわからない…
楽譜を読みこんでも、本を読んでも、全然わかりません。
CDを聴くと、本当に素晴らしい曲で、本当に素晴らしい演奏です。
ですが、良いと思った演奏を真似して弾いてみても、しっくりこず。
これでは、弾くのが嫌になります。
悪循環。
みんなどう弾いているのだろう。
とりあえず聴いたことがないピアニストの演奏を…と、図書館でCDを借りてきました。
早速、車の中で再生。
CDの最初の曲は「ワルトシュタイン」でしたが、全く好みではない演奏。
失敗したなーと思いつつ、早送りができないので我慢しながら順番に聴きました。
やっと最後に「熱情」。
出だしから、やっぱり好みではありませんでしたが、最後まで聴きました。
そんなテンポで弾くの?
なんでそんなフレーズの取り方するの?
なんで?
なんで?
なんで?がいっぱい。
「嫌いなことを知ることは、好きなことを知るってことなのよ」
私が尊敬するピアノの先生の言葉です。
何故おかしく聞こえるの?
私ならこう弾くのに!
そう思うと、自然と方向が決まりました。
好きなものばかり食べていてはいけないのかもしれません。
もしかしたら、好きなものからよりも、嫌いなものから得ることの方が多いかもしれません。