2019年1月6日

どこに座る?

兵庫県立芸術文化センターで、ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラの公演を聴いてきました。
日本中のトップの演奏家を集めて結成されたオーケストラです。
指揮は大友直人さん。



スッペの『軽騎兵』序曲、ヴェルディの『運命の力』序曲。
ピシッと揃っていてキレが良く、気持ちの良い演奏でした。

ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」。
ギターは、村治佳織さん。

今回、これを聴きたくてチケットを買ったので、下手側の前の方の席にしました。
ギターが良く見えます。
か細いギターの音も生音で聴ける席でした。
かなり前の方の席ですが、それでも耳を澄まさなければならない程の音量。
マイクが入っていましたが、後ろの方だとどんな感じだったのでしょう。

予習!予習!と思って、昨年末からスコアを見ながらCDを聴いていました。
CDでこの曲を聴いていると、所々ふわぁっと風が吹いてきます。
アランフェス宮殿では、こんな風が吹くのでしょうか。
演奏会でも風が吹くといいなーと思っていたのですが、ギターの演奏に見惚れ過ぎました。


テンポ感やオーケストラとの掛け合い、曲の重量感など、CDの方が好みです。
CDでは、ギターとオーケストラのバランスを調整されていると思いますので、聴きやすいのは当たり前かもしれません。
同じ村治さんの演奏なのに全然違います。
ギターとオーケストラを融合させるのは難しいのだと思います。
もしかしたら、ロドリーゴはもっと小規模なオーケストラを想定していたのかもしれません。

そんなことを考えると、もしかしたら後ろの方の席でスピーカーで音量調整された演奏を聴いた方が良かったのか?と思ったり、いやいや、生の音が本来の演奏だからこれで良いのだと思ったり…

アンコールに、タレガの「アルハンブラ宮殿の思い出」を演奏してくださいました。
美しいトレモロ。
ギターでなければ弾けない曲です。

後半は、ベルリオーズの「幻想交響曲 作品14」。
ベルリオーズ自身の体験を元に「失恋してアヘンを吸って自殺未遂をして見た幻想の世界」を表現しています。
失恋の相手となった女優のハリエット・スミスソンを表す旋律が全体を通して所々で現れます。
ロマン派の作品ですが、とても前衛的で衝撃的な曲です。

下手側の前の方の席、オーケストラを聴くとなると、ちょっとまずい…
楽器よりも耳が低い位置になりますし、ヴァイオリンは近くてヴィオラとコントラバスが随分遠くなるので、バランスが悪いです。
色とりどりの迫力ある素晴らしい演奏、これは後ろの方で聴きたかったです。

アンコールにビゼー『アルルの女』から「ファランドール」。
さすが、スピード感ある演奏でした。

「アランフェス協奏曲」に「幻想交響曲」。
メインにお魚もお肉も両方食べたようなお腹一杯のコンサートでした。

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