2020年1月13日

≪まごいちピアノ日記 No.030≫ SEILER (GP)

久しぶりに練習室を借りてピアノを弾いてきました。
ザイラーは、ポーランドで創業し、現在はドイツで生産されているピアノです。
初めて触れるピアノです。

今回お借りしたピアノは、調律が狂っているとのことで、レンタル代を少し値引きしてくださいました。


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SEILER
Seiler Pianofortefabrik GmbH
1849年、ポーランド/レグニツァ
エドゥアルト・ザイラーによって創業
現在は、ドイツ/バイエルンに本部
2008年、三益楽器(サミック)が買収
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1849年、エドゥアルト・ザイラーによってレグニツァ(ポーランド)で創業されました。
エドゥアルトの死後、ピアノ職人として修業した兄弟のヨハネス・ザイラーが工場の技術管理を引き継ぎます。
ザイラーは数多くのピアノ製作の技術革新を行いました。
加工後にも水分調整を行うこと、独自の製法で響板がよく振動するようにしたこと、交差状の張弦方式をいち早く採用するなどし、ドイツやイタリアを初めとするヨーロッパ王室御用達のピアノとして名声を築き上げました。

第二次世界大戦によりレグニツァの工場を失い、デンマーク/コペンハーゲンで生産を再開します。
1961年からは、ドイツ/キッツィンゲンに拠点を移して生産しています。
2008年、韓国の楽器メーカー三益楽器に買収されました。

現在生産されているグランドピアノは、186 Cantus(幅147cm、高さ103cm、長さ186cm)のみで、塗装は、黒色艶出し、ウォールナット艶消し、マホガニー艶出しの3種類です。

借りたピアノ
■2019年12月4日 千葉県船橋市
■機種:SEILER (機種不明)
■製造番号:168124 (製造年不明)
■部屋の広さ:約20坪

丸みのある白鍵で、白鍵の上面が少し出ているように思います。


ぼてっとした感じの音で、重く頑固。
弾くのにパワーが要ります。
音色は単一で揃っているのですが、それは逆に言えばどのように弾いても同じような色味になるということで、残念ながら面白くない…

音は素直にまっすぐ出ます。
あまり飛んでいく感じがなく、奏者との距離感が近いピアノです。
ホールよりもサロン向きの響きだと思います。

曲のボリュームがあるところを、いつもの調子で弾くと大変!
特にペダルを踏むと、音の減衰がとても遅くなるので、音が飽和状態になります。

ビブラートペダルをするとピアノが揺れるのは、さすがに怖いです。
タッチも不揃いで、鍵盤の途中から押すと、音が出る鍵盤と出ない鍵盤があるため、ゆっくりと打鍵する音は特に難しかったです。
そして、ゆっくり打鍵した時のハンマーのバウンドが激しく、手に不要な感触が多く伝わってきました。


見た目は美しく、赤い木目です。
日差しが良く入る明るいサロンでしたので、とても気持ちよく弾けました。

ザイラーは、透明感のある音質と適度な音量、繊細なタッチが売りのピアノだそうですので、良い状態でもう一度弾いてみたいです。

【まごいち音楽教室】
TEL:080-3130-7057
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