ずっと習い続けてくれている高校生の生徒さん。
小さな頃は、あまり練習も多くなく、ただ好きという気持ちだけで頑張って続けていましたが、最近は、高校の軽音楽部でキーボードを弾いたり、練習も少し増えてきました。
今週のレッスンの終わり、「先生、ピアノを移動するのっていくらくらいかかりますか？」と聞いてきました。
自宅には電子ピアノ。
ご両親の実家には、それぞれ何年も使われていないアップライトピアノがあるようです。
この生徒さんは、ずっと電子ピアノで練習してきました。
アコースティックピアノ(グランドピアノやアップライトピアノ)と電子ピアノ、どちらもピアノという楽器名ですし、見た目は少し似ていますが、この2つは全く違う楽器です。
演奏方法(腕や指の使い方)も全く違います。
本来、電子ピアノはアコースティックピアノの代わりになる物ではありません。
電子ピアノは、タッチで音色を変えることができないことなどから、音楽において一番大切な耳を鍛えることが全くできません。
最初は電子ピアノで習い始めて続きそうだったらアップライトピアノに…という考え方は間違っています。
耳が成長する幼少期にアコースティックピアノで練習しなければ意味がありません。
さらに、電子ピアノで練習するよりも、アコースティックピアノで練習する方が上達は早いですから、続くのは断然アコースティックピアノの生徒さんです。
さて、高校生の生徒さん、最近、アコースティックピアノで練習したいという気持ちが出てきたようです。
移動させるのも、調律をお願いするのも、費用面さえクリアできれば難しいことではありません。
本人曰く、難しいのは、ご両親を説得することだそうです。
それはね、言葉で伝えても駄目なのよ。
毎日一生懸命ピアノを練習している姿を見てもらうこと、上達した演奏を聞いてもらうのが効くのですよ！
