2020年4月15日

アジタート!

メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」を練習中です。


16小節のテーマと性格が違う17の変奏、そしてコーダ。
その中で、どうしても手に馴染まないのが、Ver.5とVer.15。
右手と左手が交互になっているのが、とても落ち着かず、そして行き先は不明…
どちらも「Agitato」と書かれています。



Agitatoの元の動詞「agitare」のそもそもの語源は「押す(押して動かす)」。
「掻き乱す」や「揺さぶり動かす」のような意味があります。
激しく興奮していて、テンション高め。
そわそわ…
バタバタ…

それで、気が付いてしまいました。
私には、どうやらAgitatoの性質がないのです。
そわそわすることもバタバタすることも良くありますが、私が決定的に持ち備えていないのは、激しく前に進む力。

先生に「私の中にAgitatoがないから弾けないのかもしれません」と言ったら、「そうかもしれないね」と言われてしまいました。
先生がおっしゃるには、ここのAgitatoは、どうする?どうする?と迷って、それでも「えいやー!」と突き進む感じだそうです。

私は、悩む時は割と冷静な気がしますし、どうする?進む?やめておく?のような状態になった時には最終的に後ろ向きの決断をしてしまうことが多いです。
だから、私が弾くAgitatoは温度が低いと言われるのです。

そして、例えば15の後の16のバリエーションはとても激しく忙しいです。
どちらかと言うと、後のバリエーションの方がAgitatoのイメージだったのですが、その前の揺れ動く方がAgitatoだったとは。


行き先不明だったのは、Agitatoの間に前へ進めなかったからですね。
まるで私。

「厳格な変奏曲」は、音だけ見れば簡単に見えるのですが、練習を始めてみると、なかなか掴み所がわからず、予想以上に難しいです。
奥行きが凄くあり、まだまだ先は真っ暗。
それでも、こうやって少しずつわかってくると、道が見えてきて、そして更に知りたいという欲求が出てきました。
これからもっともっと楽しくなる!

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