プロコフィエフのピアノソナタのCDが欲しい!
インターネットで探しますが、これにしようという決め手がなく、困りました…
戦争ソナタなど人気のある曲なら有名なピアニストのCDがいくつか出てきますが、聞きたいのは3番です。
聴いたことが無い名前のピアニストのCDが出てきますが、そこからどれを選べば良いでしょう。
どれを購入すればいいか迷って、先生にお薦めのピアニストさんを聞いてみました。
先生は2人のピアニストの名前を教えてくださいました。
ベラ・ダヴィドヴィチとナターリャ・トゥルーリです。
早速、インターネットで検索してみましたが、どちらも売り切れ。
中古CDも購入する事は出来ませんでした。
学生の頃、よく、なんばのタワーレコードのクラシックフロアに行きました。
今日はいくらまで買っていいよ!なんて自分で決めたりして、必要なものを選んだ後は、他にどれを買おうかと手にとっては戻し、手にとっては戻し…
何時間もCDを見ていました。
1つの曲に、何人もの演奏家のCDがあります。
何を決め手にするか。
収録曲か、演奏家か、それともパッケージや推薦文か…
好きな演奏家、演奏を聴いたことがある演奏家、有名な演奏家のCDであれば、割と安心して購入することができますが、聴いたことがない演奏家の名前を見つけると、果たしてこれは良いのかどうなのか。
今なら、お店でもどこでも、スマホで検索すればすぐにいろんなことがわかりますが、当時はインターネット上にそんなにたくさんの情報はありませんでした。
視聴できるCDもありましたが、ほとんどは購入するまで聞けません。
購入しやすいお値段の物も、それなりのお値段がする物もあります。
安ければ悪く、高ければ良いというわけではありません。
高くても好みではないことはよくあります。
それが好みでないから全く無駄になるというわけではなく、何かの手掛かりになったり勉強になることもあります。
新型コロナウィルスの影響で、もう長い間、京都にも大阪にも名古屋にも行っていません。
今の状況から思えば、たくさんのCDを前にして選べる環境はとてもありがたいことです。
私が住んでいる場所には、たくさんのクラシックのCDを置いているお店がありませんので、CDを買うためには、インターネットで購入することになります。
このCDを買おうと決めていなければ、検索して出てきた中から選ぶことになります。
その場合は、自分の中にある情報から検索ワードを入力して、候補にあがった物から探すしかありません。
思い浮かばないワードは入力できませんし、存在することに気がついていない場合は探すことすらできません。
自分の知識の外側にあるCDを購入することが難しいのです。
結局、今回のプロコフィエフは、とりあえず1枚ということで、ロシアのピアニスト、オフチニコフさんのCDを購入してみました。
ピアノソナタ3番の演奏は、割と真面目で整った演奏ですが音色もたくさんあって表情豊かで潤った感じ。
好きな感じです。
都会には、とにかくたくさんの物が存在します。
街を歩けば広告の方から、お店に行けば商品の方から、たくさんの情報や物が私を誘ってきます。
それに比べると、自分から探しに行かなければ何も集まってこないのが、田舎の不利なところかもしれません。
通信販売で必要な物を買うことができますので、普段の生活で困ることはありませんが、自分の知識の外側にはもっともっと広い世界があります。
自分から探しに行けるのは、自分が既に持っている知識や情報と繋がっているところ。
自分から学んでいく姿勢は大切ですが、自分とは繋がりのない外側から与えてもらうことも必要です。
結局、人と会うこと、いろんな場所へ出かけること、たくさんの経験をすることが、自分の中身を大きくしていくのだと思います。
知らない曲、知らない演奏家、知らないことは未知数にあります。
まだ勉強不足と自覚のあることがたくさんありますが、知らないということにまだ気付いていないこともたくさんあるはずです。
ダヴィドヴィチのCDは、先生が貸してくださいました。
プロコフィエフの『ピアノソナタ 第3番』も素敵な演奏でしたが、『ロミオとジュリエット』の小品がお気に入りになりました。
さて、このCDを聴いたところで、また2つほど疑問が出てきました。
このCDを聴かなければ考えもつかなかったことです。
こうして、勉強が続くのです…