2022年4月9日

≪今週のレッスンVol.226 4/9≫ レ♯ミを弾かない生徒さん

音階の練習曲が宿題だった生徒さん。
譜読みの詰めが甘いのか、6小節目の1拍目のレ♯ミの2つの八分音符が抜け落ちてしまっていました。


音をしっかりと全部読まなかったことも問題ですが、その2つの音を弾かないということは小節に3拍しかないということで、それを平気で聞いているということは拍子を無視しているということになります。

楽譜を見てもらって、1つずつ音符を確認していくと、もちろんきちんと全部の音を読める生徒さん。
「じゃあ書いてある通りに弾いてみよう」と言うと、なぜか元通りでレ♯ミの音を弾かない生徒さん。
今のやりとりは何だったのか…
理解できていないのだと思い、もう一度楽譜を見てもらって音があることを確認してまた弾いてもらうと、やっぱり楽譜通りは弾かない生徒さん。

テクニック的に弾けない音型でもありません。
一緒に楽譜を確認すると、そこに音があるのは認識してもらえるのですが、なぜか頑なにレ♯ミの音を弾かないのです。

そのうち、その小節が来ると弾くのをやめて止まってしまうようになりました。
困ったことです。

その生徒さん、ささっと素早く行動するような子ではなくいつもとにかくマイペースです。
ですから今回も自分のペースで気楽にやっているのかと思っていました。

ただ、レッスン時間には限りがあります。
早く正しく弾いてくれないと先に進めないと焦る私。

それでも絶対にレ♯ミの音を弾かないので、「何がわからん?何に困ってる?」と聞いてみました。
すると、「ここ(1小節前の最後の拍)にレ♯ミがあるのに、またこっち(6小節目)でも弾くん?」と言う生徒さん。

その質問に私は驚いてしまいました。
前の小節で同じ音を弾いているから、次の小節に書かれている音を弾かなくてもいいとは、意味がわかりません。
そもそも、クラシックのピアノ曲において、書いている音を弾かないと言う選択肢はありません。
書いてあることに疑問を持つ事は私もありますが、どんなに不思議なことが書かれていても、楽譜が絶対なので、何とか自分の中で理解を付けて弾くしかありません。
しかも、その生徒さんが困っている場所は、私にとっては何の不思議もない音型でしたし、実際に音階練習などでは良くある流れです。

そんな考え方があるのかと驚きでした。
どうして何度弾いてもその音を弾かないのか理解できず、何に困っているのか見抜けなかったことが申し訳ないのと、その生徒さんが納得できるだけの説明を伝えられたのか疑わしいのが申し訳ないのと…

自分にとって当たり前と思う事が、それが他の人にとって疑問であることはたくさんあるのだと思います。
相手が子どもなら尚更だと思います。
この生徒さんのようにきちんと伝えてくれれば有り難いのですが、何も言わずにハテナを抱えたまま先生に言われたから…と仕方なく弾いている生徒さんもいるのでしょう。

これからたくさんの曲に触れて経験値が増えれば、共有できる「当たり前」は増えていくでしょうし、それでもその人ならではの独特な考え方も残っていくと思います。
きっとこの生徒さんからは、他の曲でも新しい発見や気付きを与えてもらえるのではないかと、ワクワクしています。

【まごいち音楽教室】
TEL:080-3130-7057
メール:mago1.klavier@gmail.com