練習曲には、それぞれの曲で何を習得すべきかという目的がきちんとあります。
目的が明確に楽譜に書かれている曲もありますし、何も書かれていなくて通し番号がふられているだけの曲もあります。
音の粒を揃えることを目的とした曲、美しいレガートで弾けるようにすることを目的とした曲。
良く響く音色、バランスの良いハーモニー、表現…
何を習得するための曲なのか、理解して練習できると良いですね。
練習曲は、止まらずに最後まで弾ければ合格というわけにはいきません。
習得すべきことをきちんとできているか、それが大切です。
やたらと速く弾くことを求められる曲もあります。
とにかく音が多くて指を速く動かさなくてはならない曲。
指を動かしまくって、「私って凄いでしょ~?」と得意げになる曲ではありません。
それは、速くても美しく弾けるようになることを目的としている練習曲です。
逆に、いくら粒が揃った美しい音で弾けていても、ゆっくり慎重に…ではダメなのです。
フレーズを美しく歌う曲。
ピアノでも吸って吐いての呼吸があって、自然な歌いまわしができるように。
フレーズごとにきちんと分けて、終わりは閉じる。
3度の重音の連続を美しく弾く曲。
ずれないようにはもちろん、響きのバランス、レガートも大切です。
音を読んで弾くのに必死になっている状態では、習得すべき目的に対してのレッスンをすることができません。
ですから、最低限、レッスンに来た時には止まらずに弾けるように、途中のどこからでも弾けるようにしてきてくれていると、有意義なレッスンを受けることができます。
簡単に譜読みができて余裕で弾けるから、これは私には簡単すぎる…
そんなことは絶対にありません。
むしろそういう曲の方が、落ち着いてきちんとレッスンを受けることができるでしょう。
難しい練習曲を必死に弾くのも良いですが、自分のレベルに合った練習曲できちんとアドバイスを受けることが大切です。