お姉さんのレッスンを待っている間、部屋の端っこの机で何かを始めた弟くん。
「色鉛筆がないから鉛筆でするわ~」と1人喋っていました。
その後は静かに黙々と何かをしていたので、私は何をしているのか聞きませんでした。
お姉さんのレッスンが終わり、弟くんの番です。
ワークブックの宿題があったので、見せてもらいました。
「おんぷにいろをぬりましょう」というページです。
ドは赤色、レは黄色、ミは緑色…という指示があるのですが、全て鉛筆で塗られています。
これのことを言っていたのか…
全部黒色やん!
これではきちんとドレミを読めていることが伝わらない、色も同じだし…と、本人は考えたのでしょう。
黒く塗られた音符の下に「どれみ」が書かれていました。
家でやって来ていれば、こんなことにはならなかったはずです。
宿題だしレッスンまでに終わらせなければならないのに、色鉛筆がない!
鉛筆でやるしかないか…、でもこれでは…
いろいろ考えた結果の行動なのでしょう。
ひらがなも勉強中の男の子。
「どれみ」は書けるけれど「ふぁ」「そ」をどう書くかわからなかったのでしょう。
ワークの問題は「おんぷにいろをぬりましょう」なので、先生としてこれに丸をすることはできません。
でも、これを「やり直し」で突き返したくもありません。
そうか!
問題を変えてしまえば良いのか!
「ドレミを読みましょう」という問題なら、丸をしてあげることができます。
今回は問題を変えて丸をすることにしました。
でも、2回目はないよ!と伝えました。
きちんと与えられた指示通りにこなせるのが一番なのですが、それができない状況の時にどのような行動をとるのか。
ピアノに限らず、生きていく上で大切な力だと思います。
「やってくるの忘れた」「してきてない~」で片付けずに、何とかしようと出来る精いっぱいのことをしたこの生徒さん。
それはそれで、今回の場合はよく考えた行動ではないでしょうか。