2025年3月29日

≪今週のレッスン Vol.440 3/29≫ 前回よりも難しい曲を

先週から発表会のご案内をお渡ししています。
本番は夏です。

中学生の生徒さん、いくつか候補を出してくれました。
久石譲さんの曲集には付箋が貼られていて「これは私に弾けますか?」と希望を伝えてくれます。

昨年も同じく久石譲さんの曲を弾いています。
昨年の曲が素敵に仕上がったんだから、これも大丈夫でしょう。
何なら譜読みは昨年よりも楽かもしれません。

すると、生徒さん、昨年よりは難しい曲を弾きたいとのこと。
レベルアップしたいそうです。
素晴らしいことです。

ただ、こういう曲は、曲のレベル付けが非常に難しいです。
何となく楽譜の見た目で音符が少ないと簡単、楽譜が黒っぽいと難しそうと判断してしまうものですが、そうでもありません。
音が多ければ難しいわけではなく、曲が長ければ難しいわけでもなく…
音色やリズム感、表現というところで難しい曲もたくさんあります。

例えば、同じ曲で初級、中級、上級と3種類のアレンジが用意されていたとします。
弾けるのならば上級を…と思うかもしれません。
ですが、上級よりも初級や中級の方が素敵なアレンジになっていることも多いです。
無理やり上級にするために必要以上に音を増やしていたり、意味もなくメロディをオクターブにしていることもあります。
ですから、音が多いから素敵だというわけではありません。
むしろ、必要な音を厳選している中級の方が表現の幅があって、美しかったりします。
私がコンサートなどで弾く時には、中級アレンジに足りないところだけ自分で加えたり、少し変えたりして弾いています。

「昨年よりも難しい」を求めるのなら、ポップスは曲の難易度に関係なく弾きたい曲を弾いて、クラシックを真面目にもう1曲弾いたらどう?と言ってみました。

クラシックだからといって、全ての曲をレベル順に並べることはできませんが、明らかにこっちの曲の方が難しいということはあります。
バイエルよりもツェルニーの練習曲の方が難しいですし、ソナチネアルバムよりもベートーヴェンのソナタ集の方が難しいでしょう。
そしてクラシックの「難しい」は、とんでもなく難しいので、どこまでも登っていけます。

昨年よりもレベルアップしていたいという生徒さんの気持ちは、とても素晴らしいです。
まだ曲は決定していませんが、きっとどの曲を選んでも一生懸命に練習するのだと思います。
昨年よりも音が少ない曲だったとしても、表現の幅を広げて素敵に仕上げてくれると思います。
夏が楽しみです。

2025年3月22日

≪今週のレッスン Vol.439 3/22≫ コインの使い時

レッスンでは、生徒さんにコインを集めてもらっています。
コインは、いろんな場面で集めることができます。
曲を合格してポイントを貯めたり、毎月の「コインチャレンジ」、ステージでの演奏でもコインを獲得できます。
集めたコインでガチャガチャを回したり、欲しい物に交換したりすることができます。


教室の壁に景品を掲示しています。
少し数が減ったので、4つほど補充しました。

レッスンに来るなり、景品を見て「いっぱい増えてる~!」と生徒さん。
これも欲しいし、これも欲しい。
どうやら欲しい物がいくつもあるようです。

この生徒さんはいつも着実にコインを集めていっていますが、最近交換した記憶はありません。
貯まっているんじゃない?と聞くと、たぶん30枚くらいはあると思うとのこと。
数えてみると、35枚もありました。


どうする?何か交換する?と聞きました。
すると、生徒さんは「今が使い時やろ~!このために貯めてたんやから!」と言いながら17枚の景品を2つ!
残りのコインは1枚になってしまいましたが、満足です。


良い使い方だと思います。
私の気まぐれで景品を置いているので、欲しいと思う物があったりそうでなかったり。
欲しい物が出てきた時に貰えるように貯めておくのは賢いです。

コインの消費の仕方を見ていると、人それぞれで面白いです。
貯まったらすぐに交換する生徒さん。
欲しい物が出てくるまで貯めておく生徒さん。
交換したいけれど、コインが全部なくなるのはさみしいから、もう少し貯まってからにするという生徒さん。

これって、お金の使い方にも通じるものがあるのかなーと思いながら見ています。

このコインのイベントは、完全に私が楽しくて行っていることです。
何かを保証されているものでもなく、万が一私が飽きてしまって「辞ーめた!」と終了になった場合、このコインは何の価値もなさなくなります。
そして、それは私の調子だけではありません。
生徒さん自身にとっても、年齢が上がるにつれ、コインやその景品に魅力を感じなくなっていくようです。

適度に貯めるのは良いけれど、いつまでも貯めておくのはおすすめしません。
欲しい物があったらどんどん交換して、楽しむ方がおすすめよ、と、伝えています。

2025年3月21日

新規ご入会

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・体験レッスンは無料です。
・レッスンシステムのご説明もさせていただきます。
 40分ほどお時間をみておいていただけるとありがたいです。
・持ち物は特にありません。
 現在弾いていらっしゃる楽譜や、以前の教室で使われていた教材などがありましたら、お持ちください。
・教室の場所(住所)は、体験レッスンお申し込みの際に詳しくお伝えいたします。
・お車は教室前か、近くに停めていただけます。
・体験レッスン後すぐに入会を決めていただく必要はありません。
 一度ご自宅へ帰られて、十分に検討いただいてから、ご入会の場合はご連絡ください。
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2025年3月17日

極上のアドリブ

先日、名古屋へ行ったついでに、愛知芸術文化センターのチケットセンターに寄りました。
ここには、大量のチラシが置かれています。
紙好きの私。
それに地元では得られない大量の情報があり、凄く幸せな場所。

紫色のチラシに、ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」!
あぁこれは聴きたい!
演奏会は数日後…と思いながら空席を確認すると、とっても良い席が残っていました。
即購入です。


愛知県芸術劇場コンサートホールで行われた名古屋フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会。
指揮とピアノは、ウェイン・マーシャルさん。


勢いの良いピアノが鳴り響き、ガーシュウィン「セカンド・ラプソディ」の演奏が始まりました。
弾き振りです。
すごくエネルギッシュな演奏で、もう立って弾いちゃってます。

2曲目は、楽しみにしていた「ラプソディ・イン・ブルー」。
速い…
超高速の演奏。

カデンツァになると、ウェイン・マーシャルさんのアドリブが始まりました。
私が持っている楽譜のカデンツァ、地味に難しくて、この高速演奏でどう弾かれるか気になっていたのに…
完全アドリブ。

「ラプソディ・イン・ブルー」は、音楽史ではジャズとクラシックを融合した曲として紹介されています。
CDでも演奏会でも、楽譜通りに結構クラシック的な演奏をされていることが多いです。
ですが、今回の演奏はノリも響きもジャズ。

ウェイン・マーシャルさんのアドリブは、史上最高に美しくて楽しいアドリブでした。
素材のアレンジの仕方が最高で、コードも完全におしゃれなジャズです。
この音楽と音色を全部持って帰りたい!
結構長い間演奏されていましたが、それでも、あと1時間でも2時間でも聴いていたいと思ってしまいました。

オーケストラの部分はもうちょっとゆったり味わいたいところもあったのですが、長時間のアドリブのバランスを考えるとまぁそれはそれで。
翌日にも同じプログラムで演奏会があるので、チケット買っていたら、また違うアドリブや演奏を聞けたのでしょう。

後半はピアノは片付けられてしまって管弦楽。
もっとピアノを聴きたかった…

暗譜、指揮棒もなし。
指揮は後ろ姿だからわかりませんが、きっと様々な表情でニコニコしていらっしゃるのだろうと想像します。
指揮者が一番楽しそう。

ほとんど振っていなくて、出だしと締め方だけ合わすために合図を送る感じです。
音楽なんて乗らせておけば勝手に進んでいくということ。

近くの客席のおじいさんが、音楽と一緒に手を動かしていたり、体を揺らしていらっしゃるのを見ると、いつもなら正直迷惑だなんて思ってしまったりもするのですが、今回はそれほど不快でもなく。
そうそう!音楽ってこれー!っていう感じです。
何て楽しい世界なの!

ちなみに、「ラプソディ・イン・ブルー」は、高校生から大学生の頃に気に入ってしまって、何度もレポートの題材にして出したり演奏会で弾いたり、結構深く付き合っていました。

ショパンのエチュードが弾けない、ベートーヴェンのソナタが弾けない…
自分の演奏技術のなさにうんざりして、ジャズの方に逃げ道を探してしまっていた頃。
クラシックをバリバリ弾けてもこれはできないでしょ?と、伴奏付けにやたらとお洒落な和音を付けてみたり、ジャズのアレンジで適当に弾いてみたり。
ただの逃げ道です。
でも、純粋に楽しくもあり、クラシックとそうでない世界とをごちゃ混ぜにして自由にピアノを弾いていました。

それを続けていると、今度は不安になってきます。
こんなに自由で良いのだろうか…
結局、突き詰めて勉強できるのはクラシックで、自分の力をわかりやすくはかれるのもクラシックで、自分の自信になるのもクラシック…
それで、大学卒業後は真面目にクラシックへ戻ってきました。

バッハ、ベートーヴェン、ショパン…
ずっと真面目にクラシックばかり練習しているので、こういう自由な音楽を少し忘れていたのかもしれません。

素敵な演奏会。
演奏会前に食べたヨーグルトソフトクリームのパフェも、帰りに買ったゴンチャのタピオカドリンクも美味しくて、楽しい夜でした。

2025年3月15日

≪今週のレッスン Vol.438 3/15≫ こどもの手

小学生の生徒さん。
変ホ長調のスケールとカデンツ。


聞いていると問題なく弾いていたのですが、手を見てみるとカデンツのⅡ7の和音を自己流の指使いで弾いていました。
他にも気になるところがあったので、その指番号も含めて、もう一度宿題にしました。

今週、もう一度弾いてもらうと、前回にきちんと弾けていたカデンツでつまづいてしまっています。
どうしたのかと聞いてみると、Ⅱ7の和音の指が届かないのだと。
いつも他の調のカデンツを楽譜通りの指使いで問題なく弾いていたので、何も気にせずに指番号を直しておいでと伝えてしまっていました。

楽譜の指番号は135になっていて、ほとんどのピアニストがそう弾くと思います。
前回のレッスンで、生徒さんは145の指で弾いてきていていました。
その指が弾きやすかったそうで無意識に変えていたようです。
それで楽譜通りの指使いに直したら弾けなかったとのこと。
白鍵と黒鍵の組み合わせによっては、手が十分に届かず弾きづらいようです。

私も子どもの時は同学年の子たちと比べて手が小さく、小学生の頃にはオクターブが届きませんでした。
楽譜にオクターブが出てくると思っているように弾けず、悔しい思いをしたこともたくさんありました。

それなのに、気付かず申し訳ない!

子どもに限らず、手の大きさ、指の長さ、開き具合や柔らかさ…
人それぞれです。
楽譜に書かれている指番号は、全ての人に最善のものではないかもしれません。
だから、自分でよく考える必要があります。

楽譜に書かれている指番号にも理由があります。
楽譜の指番号が弾きにくいと思った時は、弾きやすい指と良い音を天秤にかけて判断する必要があります。
良い音を出すためには弾きやすい指に安易に変えるべきではないことも多くありますし、届きづらくて満足に弾けない場合は仕方なく変えなければいけないこともあります。

子どもの頃に身につけたことは想像以上に深く残るものです。
大人の生徒さんのレッスンをしていると、不思議な指使いで和音を弾いている方がおられます。
恐らく子どもの頃に弾いていた指使いのままなのでしょう。

楽譜上はこう書いているけれど、自分はまだ届かないから違う指で弾いているのだということはわかっておいて欲しいです。

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