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Steinway & Sons
(Steinway Musical Instruments Inc.)
1853年3月、アメリカ合衆国/ニューヨーク
ヘンリー・エンゲルハート・スタインウェイによって創業
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H.E.Steinweg(ハインリヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーク)は、1836年に自宅の台所で1台目のグランドピアノを完成させます(そのピアノは「キッチン・ピアノ」と呼ばれ、ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されています)。
ドイツからアメリカへ移住した際に名前をスタインウェイと英語風に改め、1853年3月に家族会社を設立します。
スタインウェイ・アンド・サンズ社は、1866年に2000席を持つスタインウェイホールをオープンさせます。
数千人を収用できるホールでの使用を念頭におき、音響工学を設計に初めて取り入れ、ピアノの音量の増大と音色の改良に努めました。
最新の技術開発により、鍵盤ひとつひとつの生み出す音がクリアで、強弱を自在に操ることができ、大きなホールにも応えられる音響技術を開発しました。
そして、コンサート中に弦が切れたりハンマーがずれることもなくなり、調律や修理のための中断(現在では信じられないですが…)が完全になくなりました。
スタインウェイ・アンド・サンズ社は、鋳鉄の堅固な鉄骨フレームや複数の板を重ね貼り合わせた駒、弦を斜めに交差して配置する交差弦など、127もの特許技術を取得しています。
現在、ニューヨーク/アストリアと、ドイツ/ハンブルクに工場があり、それぞれで材料や形状などが若干異なります。
ホールでは良く弾く機会があるスタインウェイですが、今回お借りしたのは、’良い時代のスタインウェイ’と言われる昔のスタインウェイのピアノです。
借りたピアノ
■2014年9月2日 兵庫県神戸市
■機種:Steinway & Sons CD-135
■製造番号:234986 (1925年製)
■部屋の広さ:不明
一部屋に2台。
まずは、アートヴィンテージスタインウェイと呼ばれるピアノから。
お借りしたスタジオでは、中古スタインウェイの修復などもされています。
スタインウェイ社が買収される以前、スタインウェイファミリーの元で生産されていた頃(1890~1970年頃)に製造され、理想的な環境で再整備されたピアノのことを、独自に『アートヴィンテージ』と呼ばれているそうです。
譜面板がお洒落過ぎます!
手前に倒して収納するのは、ニューヨーク製なのだそうです。
そして、側板のロゴの強烈な大きさ!
弾いてみると、このピアノ、スタインウェイとは思えないほどの音のまろやかさ。
文句無し!
ダメ出しせずに上手くまとめてくれるし、癖もなく本当に美しい。
瞬発力がある音や大胆な音も出せて、細かいニュアンスもきちんと表現できます。
とにかく弾きやすいです。
だから、このピアノで、弾けてないとかバランスが悪いとかいうところは、相当弾けてないということだと思います。
鍵盤の重さも軽すぎず、ちゃんと受け取ってくれるだけの重みがありました。
続いて、約50年前のスタインウェイ。
借りたピアノ
■2014年9月2日 兵庫県神戸市
■機種:Steinway & Sons 機種不明
■製造番号:399640 (1960年代製造)
■部屋の広さ:不明
私のスタインウェイのイメージは、軽くて明るくて反応が良く、どんどん音が鳴る…
ですが、このスタインウェイは、弾き心地はいつものスタインウェイなのに、細い音がしないので、何だか変な感じです。
あたたかみがあって落ち着いた優しい音色のピアノでした。
帰りに、スタッフの方と少しお話しました。
アートヴィンテージと呼んでいる1920年頃のスタインウェイは、とても良い音がするそうです。
スタインウェイのキンキンした音の印象は、ホールの新しいピアノがつけてしまった残念な印象だとおっしゃっていました。
スタインウェイは、手を加えて直していけば、どこまでも長く使えるそうです。
それだけスタインウェイの設計は素晴らしいのだそうです。
店頭に、調整中のスタインウェイがたくさんありました。
鍵盤蓋のロゴのがピアノによって違い、何種類もあります。
このロゴは年代によってデザインが変わるそうです。
修理する度にロゴを取り寄せて張り替えるとのことで、蓋と外側の塗装の間に貼り込むそうです。
埋め込むタイプもあるとのこと。
スタインウェイって文字数多いから、埋め込み式だと大変ですね…
とにかく、スタインウェイが大好きということがすごく伝わってきて、そういうのって良いなーと思いました。
帰りにアートヴィンテージスタインウェイのパンフレットをくださったのですが、スタインウェイの美しいピアノが描かれたファイルに挟んでくださり、テンションUP!
またお土産コレクションが増えました。