羽柴秀吉に初めての男の子が生まれ、喜んだ秀吉が人々に砂金を贈り、これをもとに12基の山車を作り、長浜八幡宮の祭礼に奉納したことが始まりといわれています。
太刀渡りの太刀を飾る曳山「長刀山」一基と、子ども狂言の舞台を備えた曳山が十二基あり、毎年4基が交代で出番山となり、5~12歳の男の子が曳山の舞台上で子ども歌舞伎を奉納します。
今年の出番山は、月宮殿・諫皷山・春日山・青海山の4基です。
本日(ほんび)は15日ですが、今日の午前中に、自町狂言(各山組の道路上で子ども狂言が演じられます)があるので、見に行ってきました。
思い付きで行ったので、何時にどこで上演があるのかも調べていなかったのですが、大通寺へ向かって歩いて行くと、ちょうど諫皷山(かんこざん)で子ども狂言が始まるところでした。
今日は露店も出ていないので、お祭り感はありませんでしたが、山のまわりにはたくさんの人が集まっていました。
演目は「花祭長浜城 歌劇フィガロの結婚より」。
ボーマルシェ原作、モーツァルト作曲のオペラを歌舞伎化した作品で、2014年に徳島県の大塚国際美術館の「システィーナ歌舞伎」で初演された作品を、長浜城を舞台にしてアレンジした恋騒動のお話です。
演じている子どもたちも可愛く、恋騒動の話にはつい笑ってしまうようなコントのような場面もあり、ポップな狂言でした。
長浜曳山祭では、山を曳く時や子ども狂言の前後に演奏されるお囃子のことを「しゃぎり」と言います。
演奏は、締太鼓、太鼓、摺鉦、篠笛を用いて山の2階の部分で行われています。
篠笛は4~5人から多いと10人以上で、山のまわりでも山組の子どもたちが吹いています。
音程や音色を気にせず、演奏中にちょっと休憩したりしても他の誰かが演奏してくれていて、吹きたい時にまた演奏に戻ってきて…
そんなしゃぎりの音を聞いていると、お祭りの雰囲気たっぷりでワクワクしてきて、とても気分が良くなります。
西洋音楽では、美しい音色、正しい音で、音程やリズムを合わせ、間違えないように、芸術作品としての完成度を高めることを目指しますが、こういう生活の中にある楽しい音楽が本来の音楽なのかなーとか思いながら、しゃぎりの演奏を聞いていました。
下の写真の篠笛は父親のもの。
昔、町内の獅子舞で演奏していたらしいです…
ピーヒャララ~