2017年4月27日

≪まごいちピアノ日記 No.021≫ Pfeiffer (GP)

ファイファーは、南ドイツで400年の家系を誇る一族です。

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Pfeiffer
(カール・アー・プァイファー・フリューゲル・ウント・クラヴィーアファブリーク社)
ドイツ/シュトゥットガルト
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シュトゥットガルト時代の工場は、路面電車の駅から直ぐで、レンナー社(ピアノパーツの一流メーカー)と隣接していました。
その後、ライプツィヒ・ピアノフォルテ(Leipzig Pianoforte)というメーカーを買収し、シュトゥットガルトにはショールーム、営業部門、最終調整をする部門を残し、製造拠点をライプツィヒに移しました。
ライプツィヒ・ピアノフォルテが機能しなくなり、ライプツィヒの生産拠点を失うと、商品の製造ができなくなり、既に販売店にあるピアノを買い戻して営業を続けていました。
(ライプツィヒピアノフォルテはブリュートナー社に引き継がれました。)

近年、操業を再開し、グランドピアノの生産は今でも続けられていますが、地道な手作業なので、年間の生産は僅か十数台のようです。


ファイファーは、手放す人が希なため、中古市場になかなか出てこず、希少価値の高いピアノだそうです。

弾いたピアノ
■2015年7月20日 神奈川県横浜市
■機種:Pfeiffer 不明
■製造番号:不明
■部屋の広さ:不明(非常に狭い)

金属音が溢れるように出てきます。
音量の出るトイピアノみたいで、金属のバリバリいう音が結構聞こえ、相当使いこまれたようです。
鍵盤のタッチもトイピアノみたいです。
時々、トイピアノのようなピアノに出会いますが、そのようなピアノは、どれもとっても古そうなのです。


軽い鍵盤は、ちょっと押すと一番下までカクッっと入ってしまい、予期しないタイミングで意図しない音が鳴ってしまいます。
そして、機構の動く音が大きくて、鍵盤が戻ってくる時にはバウンドしながら勢い良く戻ってきます!
減衰が早すぎるので、ゆっくり重めの曲には向きません。

ダンパーペダルを踏むと、発音した瞬間の音と全く違う響きが出てくるので、ゥワンッ ゥワンッっとなり、滑らかにはならないです。

一番驚いたのは、シフトペダルを踏むと鍵盤が左へ動くこと!


このピアノ、クラシックには難し過ぎるので、どうしたもんかと「ラプソディー・イン・ブルー」を弾いてみると、とても良い感じでした。
ジャズには向いているのかもしれません…

手入れの具合なのか、使いこまれた結果なのかわかりませんが、評判とは全く違う弾き心地。
トイピアノのような感じと、ピアノの色味と鍵盤蓋のロゴの感じが、キンボールに似ていました。


後でお店のショールームへ移動して、たくさんの輸入ピアノを見せていただきました。
練習室のファイファーは状態が良くなく、ショールームに素晴らしいピアノがあるから見て欲しいとのことだったのです。

上から下までまっすぐに繋がった木目。
とてもスマートで美しいアップライトピアノです。

ん?何かが無い…
脚(柱ともいい、鍵盤部分を支えています)がありません。
横から見ると、すごくカッコいい!

ファイファーは、グランドピアノよりもアップライトピアノの方がおすすめだそうです。
小さなアップライトピアノから出ているとは思えないほど、本当に迫力いっぱいの音が出ました。
この鳴りの良さには驚きです。

デザイン、設計バランス、音色、とても素晴らしいアップライトピアノでした。

練習室を借りただけで帰らなくて良かったです。
ファイファーの他にも魅力的なピアノがいっぱいあり、弾かせていただいたり、これは?これは?と、見るのに夢中で…
写真を撮らせてもらうのを忘れました。
そして、予定していた帰りの電車に乗り遅れたのでした…

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