2017年12月26日

1日30台

カワイに続き、ヤマハのピアノ工場見学。
以前は、浜松でグランドピアノ、掛川でアップライトの生産をしていたそうですが、今は掛川で全てのピアノを作っているそうです。


見学開始まで、ショールームを見て待ちました。
ピアノの他にも、ヤマハの商品の管楽器や弦楽器が展示されています。

仕切られたスペースには、リヒテルが1994年の最後の来日公演の際に使用したピアノが置いてあり、演奏しても良いとのことでした。


ふかふかの椅子に座って手を置くと、触り心地が良い鍵盤。
少し弾いてみると、丸くて柔らかな良い音色で、弾力がある少し重めのタッチはとても弾きやすく、少しだけ…と思って弾き始めたのに、ついつい曲の半分くらいまで弾いてしまいました。


普通に弾く分には問題ないそうですが、古いためにコンサートなどには使えず、長距離の移動も難しいそうです。


見学はショールームからで、明治時代のオルガンとピアノを実際に演奏して音色を聴かせてくださいました。


両足を使ってペダルを踏み込んで空気を送るオルガン。
明治時代のピアノは、軽く演奏できる状態ではありますが、老朽化で張力に耐えられないため、半音ほどピッチを下げてチューニングされています。
鍵盤の数が少なく85鍵しかありません。


切られたピアノの下に置かれている白い長方形の物は、ハンマーを作る際のフェルトです。


ハンマーは低音部の方が大きく、高くなるにつれて小さくなっていきます。
1つずつ作るのではなくて、1台分のハンマーを一気に作って輪切りにするのだそうです。

工場に入る前に、ピアノ作りの工程の前半部分を映像で。


響板には、軽くて強い木材が適しているようです。
曲線部分の支柱は曲練支柱(まげねりしちゅう)と言い、薄い板を何枚も重ねて曲げながら、圧力をかけて接着します。
曲練支柱と直支柱は、木材を凸凹の形にしてはめ込む、釘やネジを使わない日本古来の工法「アリ組」で取り付けられます。

フレームは20tもの力を支える、最も重いパーツです。
砂型を使う鋳造方法で、自社製造だそうです。

続きは実際の工場で見せていただけるので、ガイドのお姉さんの声を受け取るイヤホンをつけて工場へ出発!


今回の見学は他のお客様がいらっしゃらず質問し放題のような気がしましたが、何せイヤホン装着なので、見学中には質問できず…



綺麗にライン化されていて、工場内は整然としていました。
作業が終わったピアノは、ベルトコンベアで次の工程へと運ばれます。
この時に流れる音楽が、「サザエさん」の曲だったり…

機械ができることは機械に任せるスタンス。
出荷までに4回ある調律のうち1回目2回目の調律は機械がします。
鍵盤の下で鍵盤の高さを調節するペーパーパンチング(薄い紙)も、機械が作ってそれぞれの鍵盤に必要な分だけセットしておいてくれます。

作業員からの要望で、便利な道具や機械を研究して開発しています。
腰痛や腱鞘炎になりやすい体勢や作業を機械の力で軽減することは、良いことだと思います。

工場の見学が終わり、最後は試弾室で3台のグランドピアノを比べました。
ピアノのキャスターがちょっと違うなと思ってたずねてみると、今付いている物は、屋内移動用の物だそうで、出荷時には通常の金色のキャスターになるそうです。


お土産に、ハンマーをいただきました。
ピアノの工場見学のお土産の定番なのですね…


【まごいち音楽教室】
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