2018年6月14日

カチカチ ピッピッ

ずっと使ってきたヤマハのメトロノーム。
壊れる気配なんて全くなかったのですが、最近少しくたびれてきたような…
私より年上ですから。


いつか買おうと思っていたウィットナーのメトロノームを購入しました。
木を叩くような、とっても穏やかな優しい音色です。


メトロノームを最初に使った音楽家は、ベートーヴェン。

メトロノームは、1812年にオランダ人のウィンケルによって発明されました。
1816年に、ドイツ人のヨハン・ネポムク・メルツェル(1772~1838)がメトロノームの特許を取得しています。
メルツェルは、ベートーヴェンにメトロノームの使用を薦めました。
テンポを視覚的に確認できるメトロノームは、難聴のベートーヴェンにとって、ありがたい物だったかもしれません。

「四分音符=80」のように、楽譜に数字での速度表示を書きこんだのは、ベートーヴェンが最初です。



メルツェルのメトロノームを気に入ったベートーヴェンは、それまでに作曲した第8番までの交響曲に速度表示を付けてシュタイナー社から小冊子を発行しました。 しかし、テンポの指定がおかしなところもあり、ベートーヴェンが使っていたメトロノームが壊れていたという説もあるようです。

ピアノソナタの中では唯一、第29番「ハンマークラヴィーア」Op.106 (1817~18年作曲、1819年出版)にメトロノームでの速度表示があります。


ウィーンの中央墓地にあるベートーヴェンのお墓は、メトロノームの形。


「M.M.=80」のように書かれることもあり、「M.M.」は「メルツェルのメトロノーム (Mälzel's Metronome)」という意味です。

ウィーン新王宮の古楽器コレクションには、メルツェルのメトロノームが展示されています。


当時から今も、変わらず同じ形。


学生の頃、カードサイズの電子音のメトロノームを使っていました。
メトロノームが置いていないレッスン室の時のために持ち歩いていました。
ピッピッと電子音。


今でも時々使っていますが、まだ売っているのかな?
この小さな薄い電子メトロノーム、お店では見かけなくなったような気がします。
チューナーとセットになった物はよく見かけます。

最近では、スマホのアプリなどもあり、便利ですよね。
振り子か電子か、楽器や場所、目的に合わせて使い分ければ良いと思います。

ちなみに、ベートーヴェンの補聴器を作ったのは、メルツェルの弟のレオナルト。
レオナルトは、メトロノームのメルツェルより先にベートーヴェンと出会っていたそうです。

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