壊れる気配なんて全くなかったのですが、最近少しくたびれてきたような…
私より年上ですから。
いつか買おうと思っていたウィットナーのメトロノームを購入しました。
木を叩くような、とっても穏やかな優しい音色です。
メトロノームを最初に使った音楽家は、ベートーヴェン。
メトロノームは、1812年にオランダ人のウィンケルによって発明されました。
1816年に、ドイツ人のヨハン・ネポムク・メルツェル(1772~1838)がメトロノームの特許を取得しています。
メルツェルは、ベートーヴェンにメトロノームの使用を薦めました。
テンポを視覚的に確認できるメトロノームは、難聴のベートーヴェンにとって、ありがたい物だったかもしれません。
「四分音符=80」のように、楽譜に数字での速度表示を書きこんだのは、ベートーヴェンが最初です。
メルツェルのメトロノームを気に入ったベートーヴェンは、それまでに作曲した第8番までの交響曲に速度表示を付けてシュタイナー社から小冊子を発行しました。 しかし、テンポの指定がおかしなところもあり、ベートーヴェンが使っていたメトロノームが壊れていたという説もあるようです。
ピアノソナタの中では唯一、第29番「ハンマークラヴィーア」Op.106 (1817~18年作曲、1819年出版)にメトロノームでの速度表示があります。
ウィーンの中央墓地にあるベートーヴェンのお墓は、メトロノームの形。
「M.M.=80」のように書かれることもあり、「M.M.」は「メルツェルのメトロノーム (Mälzel's Metronome)」という意味です。
ウィーン新王宮の古楽器コレクションには、メルツェルのメトロノームが展示されています。
当時から今も、変わらず同じ形。
学生の頃、カードサイズの電子音のメトロノームを使っていました。
メトロノームが置いていないレッスン室の時のために持ち歩いていました。
ピッピッと電子音。
今でも時々使っていますが、まだ売っているのかな?
この小さな薄い電子メトロノーム、お店では見かけなくなったような気がします。
チューナーとセットになった物はよく見かけます。
最近では、スマホのアプリなどもあり、便利ですよね。
振り子か電子か、楽器や場所、目的に合わせて使い分ければ良いと思います。
ちなみに、ベートーヴェンの補聴器を作ったのは、メルツェルの弟のレオナルト。
レオナルトは、メトロノームのメルツェルより先にベートーヴェンと出会っていたそうです。