2018年9月20日

全ての原因は湿度にあり?

ピアノの調律に来ていただきました。
弾き心地を改善するために、調律師さんにいろいろと相談。


鍵盤の重さのこと。
実際、タッチは標準よりも重いのだとは思いますが、柔らかくはっきりしない音のピアノなので、余計に重く感じます。

物理的に確実にタッチを軽くするには、鍵盤の中に入っている鉛の重りを調整することだそうです。

鍵盤の中に重り?
少し前から疑問に思っていた鍵盤の側面にある黒い物が、重りでした。


鍵盤は木でできているため、微妙に重さが違うのと、ハンマーまでの重さのバランスをとるために、金属の重りが入っています。
ひとつずつ量って調整しながら、重りを入れる位置と重さを決めるそうです。

鍵盤は梃子で動いているので、手前に重りを入れると重くなります。
細かなアクションは88鍵全て同じですが、ハンマーとダンパーの大きさは1鍵ごとに違うので、弾き心地のバランスをとります。
ですので、低音側は支点よりも鍵盤側に重りが入っていますし、高音になるにつれてハンマー寄りの位置に重りが入っています。


大変手間のかかる作業。
ですので、アップライトピアノには入っていないそうです。

この重りを変えると鍵盤のタッチは軽くなるそうなのですが、今回は、この作業は見送り。

他に、ダンパーが上がるタイミングが早いと、鍵盤に早く重みがかかるので、タッチが重く感じるそうです。
うちのピアノは、標準だそうですが、限界まで遅くしてもらいました。
これで、弾き心地がとても変わりました。

ダンパーの動きは、鍵盤やハンマーの動きと連動しています。
ダンパーが上がるタイミングが早いということは、下りるタイミングも早くなるということす。
音が早く止まるので、レガートがしにくくなると言われましたが、問題ありません。
きちんとレガートで弾けば良いのですから。

鍵盤が上がったまま戻らないのは、鍵盤の支点となる部分の摩擦が原因とのことで、調整していただきました。
摩擦があれば、弾き心地は悪くなります。


想像以上にウネウネしている鍵盤。
鍵盤下の埃がすごいです。
綺麗にしてくださり、スッキリ!


軸(赤いフェルトのところの軸)を磨きます。
そして、鍵盤の方の穴を少し広げます。


この穴は、上部はフェルトが付いていますが、中の方はフェルトが入っていないそうです。
木は湿気で膨張しますから、湿度が高いと摩擦の原因になります。
ちなみに、もしも穴を開け過ぎてしまったら、蒸気を当てて木を膨らます処置をするそうです。

ハンマーの戻りが遅いとのこと。
トリルや連打などの、俊敏性が悪くなります。
動きが鈍い鍵盤は、中の金属部品を削ってくださり、スムーズに動くようになりました。
最後に、アクション内のバネの調整もしてくださいました。


調整後、トリルがとても弾きやすくなりました!
最近トリルが上手くできないな…
下手くそになってしまったな…
弾き方が悪いのかな…
実は地味に悩んでいたのですが、とりあえず、「ピアノのせい」ということにしておきます。

20年弾いてきたピアノですから、ハンマーの溝は相当深いです。


これだけ溝があれば、音は硬くなっているはずらしいのですが、全く硬くないのは、ハンマーが湿気を吸ってしまっているからかもしれないとのこと。
一時的に除湿をしてハンマー内の水分を抜いても、日常的に湿気を含んでしまっていると、ハンマーが硬くならないそうです。

ハンマーを硬くするためには、薬品を塗ります。
その薬品は、もともとハンマーを成形する時に使う物ではないので、おすすめではないそうです。

ハンマーを取り替えるという選択肢も出てきましたよ…

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