がっつり指の練習のような感じの曲。
響きの変化を感じたり、情景や感情を思い浮かべたりして弾くような曲ではありません。
ですが、もう少し柔らかい音で弾けるといいな…
どうしても弾きにくいところがあり、そこを楽譜通りに弾くために、全体的に強めにしたそうです。
いろいろ考えながら弾いているのですね。
音色が硬くならないように意識すると、少々弾きにくそうではありましたが、柔らかい音色でも弾けました。
次の練習曲も同じような曲。
まだ聞かせてもらっていないのに先に書くのは良くないなと思いつつ、柔らかい音色で弾けるように練習してきて欲しいというのもあり、次の曲に「柔らかく弾きましょう」と書きました。
すると、書いて欲しくなかったようで「書かんといてー!」と。
書きたい私。
書いて欲しくない生徒さん。
結局、薄く鉛筆で書きました。
自信を持って出来たと言えるくらいになったらキレイに消して来てね、と。
次のレッスンで「柔らかく弾きましょう」と言われなかったら、大成功です。
そして翌週。
「上手やん!」と言いながら合格の赤丸をぐるぐると書く私を見て、にやける生徒さん。
「どうした?」と聞くと、「先生、忘れてるな!」と。
「何が?」
「柔らかくって書いてたの、消してきたで。ちゃんと弾けてたやろ?」
やられたー!
そういえば、そんな宿題を出していたかも…
「柔らかく」と書いたこと、それが宿題だったことを忘れていただけでなく、今週は柔らかく弾いているなーとすらも思わなかったのです。
先週まで硬い音で弾いていた人だとは思わせない、全く何のぎこちなさも感じさせない演奏。
完敗です。
絶対に「柔らかく」という言葉を言われたくなくて、消しゴムでキレイに消して、消しカスを掃除機で吸ったそうです。
そこまでやったか…
ご褒美シール、奮発して差し上げました。