2019年5月30日

モコモコ書体

国立新美術館『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』の展覧会を見ていた時のこと。


ウィーン分離派展のポスターの、ムニムニ、モコモコとした書体。



これ、どこかで見たことがある…

そんなことを考えながら進むと、終わりの方にアルバン・ベルクの肖像画が展示されていて、ピンと来ました。
この書体、ベルクの「ピアノソナタ第1番」の楽譜の表紙の書体と似ています。


この表紙は、ベルク自身がデザインしたものです。

ベルクは、ウィーン分離派の様式を通じて、ユーゲントシュティール(ドイツ語圏の世紀末文化)の影響を受けています。
同時代の画家の中では、クリムトやココシュカを好んだそうです。

ベルクは、画才があった祖父からグラフィックや造形のセンスを受け継ぎ、次いで出版された『四つの歌曲 作品2』の楽譜の表紙も、同じ書体でデザインしています。

オーストリアのヒーツィング墓地にあるベルクのお墓にも、モコモコとした書体でベルク夫妻の名前が表示されていました。
ベルクのお気に入りの書体なのでしょうか。


ちなみに、ヒーツィング墓地には、有名人がたくさん埋葬されていて、グスタフ・クリムトも眠っています。

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