ウィーン分離派展のポスターの、ムニムニ、モコモコとした書体。
これ、どこかで見たことがある…
そんなことを考えながら進むと、終わりの方にアルバン・ベルクの肖像画が展示されていて、ピンと来ました。
この書体、ベルクの「ピアノソナタ第1番」の楽譜の表紙の書体と似ています。
この表紙は、ベルク自身がデザインしたものです。
ベルクは、ウィーン分離派の様式を通じて、ユーゲントシュティール(ドイツ語圏の世紀末文化)の影響を受けています。
同時代の画家の中では、クリムトやココシュカを好んだそうです。
ベルクは、画才があった祖父からグラフィックや造形のセンスを受け継ぎ、次いで出版された『四つの歌曲 作品2』の楽譜の表紙も、同じ書体でデザインしています。
オーストリアのヒーツィング墓地にあるベルクのお墓にも、モコモコとした書体でベルク夫妻の名前が表示されていました。
ベルクのお気に入りの書体なのでしょうか。
ちなみに、ヒーツィング墓地には、有名人がたくさん埋葬されていて、グスタフ・クリムトも眠っています。