生徒さん、何だか一生懸命に力を入れて弾いてくれています。
この生徒さんは、きちんと練習をしてきて間違えずに弾こうと思った時に、こうなりがちです。
「硬い芋けんぴみたいやなー」と言うと、そんなつもりはないようで。
好きなお菓子を想像しながら弾いてもらうことにしました。
すると、音色はまろやかになり硬さもなくなりました。
「何のお菓子?」と聞くと「グミ」とのことで、なるほど、そう言われればグミっぽいし、曲も良い感じです。
「じゃあ、アイスクリームみたいに弾いてみて!」と言うと、さらに音が滑らかに柔らかくなりました。
こういうことが出来る生徒さんなので、ついつい私もいろいろ聴きたくなってしまいます。
「チョコレートは?」
「おせんべいは?」
「大福で弾いてみよう!」と言うと、困ったような顔をしながら「え~」と。
それでも弾いてくれました。
ちょっと重たい感じ、テンポもゆっくりになり、終わりの方はリタルダンド(だんだんゆっくりと)になりました。
さすが!
少しのイメージの違いで曲は変わります。
ですが、想像するだけで音楽が変わるのではありません。
基礎がきちんと身についていて、出したいと思った音を出す力があるからです。
想像力(表現)と演奏技術、どちらも大切。
そして、自分の出した音を良く聴いて確認することが何よりも大切です。