2019年8月29日

楽器のルーツ

浜松市楽器博物館へ行ってきました。


世界各国の楽器がたくさん!
たくさんありすぎて、毎回どこを見れば良いのか迷うくらいです。



遠く離れた地域に似たような楽器があって、元を辿れば同じ所にルーツがある…

アーモンド型で、胴の背面側が丸く、糸倉が後ろに折れ曲がった楽器。
西洋の楽器ではリュート、日本では琵琶が有名です。


これらは、古代ギリシャの「バルバット」という楽器がルーツだと言われています。
バルバットは、シルクロードを東へ、中国に伝わって「ビバ」となります。
ビバは7~8世紀頃に日本に伝わって「琵琶」となりました。


西へ伝わると、アラビア半島で「ウード」となり、8~11世紀頃にヨーロッパへ伝わり「リュート」となります。


楽器の名前も少しずつ似ていますよね。


楽器博物館には、鍵盤楽器もたくさんあります。
チェンバロやピアノの他に、ヴァージナルやスピネット、クラヴィコードやスクエアピアノもあります。


鍵盤楽器についてのギャラリートークを聞きました。
クリストフォリのピアノの復元とチェンバロで、実際に音を出しながら説明してくださいました。

チェンバロの鍵盤が2段以上あるのは、音量の違いを出すためです。


チェンバロにペダル?
音量を変えるために作られたペダルです。
これは、アップライトピアノで言うマフラーペダル(ハンマーと弦との間にフェルトを挟んで音色を柔らかくする)のようなものです。
右足は上鍵盤用、左足は下鍵盤用。

実際に音を聞かせてくださいました。
音色が変わったように聞こえますが、当時の人たちが求めていたのは音量の差。

それでも、cresc.(だんだん強く)などはできません。
どうするか…
ピアノの屋根の一部を開閉することによって、音量を変えようとしていました。


この操作もペダルです。
閉めておいて、ゆっくり開ければ少しずつ大きく聞こえます。

試行錯誤を繰り返したチェンバロ職人さんたち。
チェンバロは全て手作りですから、同じ時代のチェンバロでも、1台ずつ機構が違います。
少しでも表現できる楽器を…と、チェンバロ職人さんたちが奮闘していたのが、よくわかりました。

そして、バルトロメオ・クリストフォリが、ピアノの第一号を完成させます。
タッチの違いで強くも弱くも弾ける楽器。
その楽器は、「グラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」と言われています。
ハンマーは今のように羊の毛を固めたフェルトではなく、羊皮紙を丸めた物でした。


こんなにたくさんピアノがあるのに、どれ一つとして弾いて良いピアノがないなんて…
でも、昔のピアノは、細かなデザインは上品だしロゴはカッコいいし、見ているだけでも凄く楽しかったです!

【まごいち音楽教室】
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