兵庫県立美術館へ行って来ました。
「ショパン-200年の肖像」
ショパン博物館が集めたショパンにまつわる作品を中心に展示されていました。
入り口に近づくと聞こえてくるショパンの曲。
会場内では、ずっとショパンの曲が流れていました。
薄っすらとBGMではなくてガッツリと、しかも複数の場所で流れているので、2曲を一緒に聞くことになります。
右からは「ノクターン作品9-2」、左からは「スケルツォ第2番」という感じ…
しかも、たまに独特なアレンジ入りの曲もあり、どうも落ち着きません。
こんなに騒がしい展覧会は初めてです。
私は音無しで鑑賞したい…
音が気になって、絵が全く頭に入ってきません。
一番問題なのは、曲をモチーフにした作品を見ている時に、頭の中でその曲を歌いたいのに、流れている曲に負けてしまうこと。
ショパンの曲をモチーフに描かれた作品。
エウゲニウシュ・ピヘル(1905-1976)の「木版画による情景」(1965)。
「雨だれ」が、豪雨なのが面白い。
ポーランド語での通称は「雨の前奏曲」だそうで、それだけを頼りに描いたのかと言われています。
雨季のマヨルカ島。
ヴァルデモサのカルトゥハ修道院の屋根に落ちる雨音の中で作曲されました。
私の中でのイメージは、暗い空、雨が降る午後遅く。
ジョルジュ・サンドの帰りを待つ具合が良くないショパン…
日本語で「雨だれ」とは、素敵な言葉に訳されたなと感心。
ショパンの顔もたくさん展示されていました。
ショパンに直接会ったことのない現代の人が描くショパン。
それぞれの人が、ショパンをどう捉えているのか。
同じショパンを描いているのに描く人によって違います。
でもどれもちゃんとショパン。
このショパンを描く人が、もし演奏家だったらどんな音楽を作るのだろう…
いろんな人の演奏を聴くのと同じくらい、面白かったです。
アリ・シェフェール(1795-1858)の「フレデリク・ショパンの肖像」(1847)。
これぞショパン!という顔の一つです。
実際に目の前でショパンにポーズをとってもらいながら描かれたショパン。
とても上品なショパンです。
「エチュード作品10-8」の自筆譜。
1833年、フランス、ドイツ、イギリスで同時出版されたうち、パリのモーリス・シュレザンジェ社のフランス初版に使われた製版用自筆譜です。
普段見ている印刷された楽譜からは感じられない、生き生きとしたショパンの楽譜。
もしこの楽譜を譜面台に置いてピアノを弾いたら…
想像すると、ショパン先生からのアドバイスが聞こえてくるような感覚になりました。
ヘ音記号が独特です。
fを元にしたような形ですね。
ショパンはやっぱり弾くのが1番楽しい。
見るより、聴くより、弾くのが楽しい。
見終わって、そう思った展覧会でした。