2020年2月10日

絵画から音楽は聞こえるか

もしこの世から人間が消えたら…
それと同時に、音楽も消えます。
音楽は、人間と一緒でなければ存在することができないのです。

メナード美術館へ行ってきました。
『額縁のむこうの音楽』というテーマで、音楽にちなんだ作品が展示されていました。


扉を開けて、一番に目に入ってきたのは、島田鮎子さんの作品『ピアノを弾く少女』。
ピアノを弾く姿を真後ろから描いた作品です。

島田鮎子さんは、美術と音楽の両方を得意とされていました。
高校生時代に絵の道に進むことを決められたそうで、「音は瞬時に消えるから、情感を定着できる絵画へと興味が移っていった」とおっしゃっています。
瞬時に消えてしまう音楽に魅力を感じる人がいれば、消えない絵画に魅力を感じる人もいるのです。

島田さんは、絵の道に進んでからもピアノに親しみ続けました。
ピアノの先生は、絵を描くのに活かすことができるようドビュッシーやラヴェルを弾くことを勧めたそうです。
『ピアノを弾く少女』は、一体、どんな曲を弾いているのだろう…
後ろ姿の動きを見ると、もしドビュッシーとラヴェルの2択だったら、私にはラヴェルを弾いているように見えました。

西洋の有名な画家の絵画もたくさんありました。


クレーは、ヴァイオリン弾きでもありました。
作品のタイトルは、『植物のシンボル』ですが、全て音楽記号に見えます。

「オルガンに向かうアンソール」は、アンソール自身の作品『1889年のキリストのブリュッセル入城』があるアトリエを描いているので、奥にあるたくさんの仮面の顔は、実際に人がいるわけではなく作品の中の人の顔です。
ややこしい…
鍵盤楽器の演奏や作曲もしていたアンソール、1906年に友人から贈られたオルガンを弾いています。

ゴーギャンの『椅子の上』(1880年)。
タヒチの滞在中にも手元に置き、心の支えにしたというマンドリンが描かれています。
このマンドリンは、どんな音楽を奏でるのだろう…

人間や風景と一緒に描かれる楽器からは何か音楽が聞こえるような気がしまたが、静物として描かれた楽器は、私には音楽と言うよりは「物」でした。

1908年以降、マンドリンやヴァイオリン、ギターなどを繰り返し描いたジョルジュ・ブラックは、「楽器は人が手を触れることで生命をもつ」と言っています。
美術館のガイドの解釈によると、それは、楽器を絵画にして「眼に触れることにより音を聞くことができる」のだそうです。
演奏する代わりに、絵画として描くことで、楽器から音楽を伝えようとした画家もいるようです。
絵画から音を聞くことができるようになれば、永遠に音楽が存在し続けるかもしれません。


今回の展覧会では「ららら割」という割引があり、音楽のある風景(写真、ポストカードなど)を入館時に提示すると、団体料金になりました。
スマートフォンで撮った写真でもOKとのこと。
そういうのなら、どれだけでもあるのよー!
どれを見せようかなーと迷って、ホーム画面に設定しているピアノの写真にしました。


ウィーンのピアノ工房でブリュートナーを弾いている私の手です。

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