2020年11月28日

≪今週のレッスン Vol.157 11/28≫ 順番を間違えてはいけません

大学生の頃、教員免許を取るために必修だった授業で聞いたこと。
恐らく、子どもの発達についての授業だったと思います。
授業内容はほとんど忘れてしまい、ノートも残っていないのですが、覚えていることが一つ。

正確さと速さの習得について。

正確さを重視して訓練を重ねていった場合、もちろん正確さはどんどんアップしていきます。
そして慣れてくると自然と速さもアップしていきます。
その結果、どんどん正確で早い仕事ができるようになります。

正確さを無視して、とりあえず速さを極めようとした場合。
最初のうち、速さはぐんとアップします。
ですが、いつまで経ってもミスが減りません。
結果、ミスを修正するのに時間がかかり、結局終わるまでに時間がかかったり、上手くできないものだから速さはどこかで行き詰まります。

正確さと速さの両方を習得したい場合、優先順位は「正確さ」になります。
速さは後から勝手に付いてくるものです。

そんな内容だった気がします。
順番を間違えてはいけませんね。

もちろん、これは、ピアノの練習にも言えること。

とにかく最後まで弾くことを目標にして、適当に音を読んで、適当な運指で弾いて、適当に表現してしまうと、後から修正するのは大変です。
一度入ってしまった感覚を、抜くことがどれほど大変か…

ピアノを続けていくと、だんだん難しい曲が弾けるようになり、それにつれて、何ページにもなる長い曲も出てくるようになります。
そうすると、一週間を上手く使って最後まで練習してくることができる生徒さんもいますが、一週間では全部見てこられない生徒さんもいます。
頑張った結果、最後まで出来なかったら、それはそれで良いです。
今週はここまで練習してきました、それで良いのです。
適当に全部するなら、出来るところまでをきちんと丁寧に練習してきましょう。

また、曲が難しく長くなるにつれ、サラッと読んできて何となく弾いてしまう生徒さんと、丁寧に読んで丁寧に弾く生徒さんの差がはっきりと出てきます。
場合によっては、サラッとでもすぐに弾ける方が良いことは、よくあります。
実際にレッスンでは、そういう生徒さんの方がテキストの進み具合は早いかもしれません。
でも、きちんと時間をかければ、最終的には丁寧に練習を始めた生徒さんの方がきちんと仕上がります。
テキストが進んでいるからと言って上手とは限らないよ、といつも言っているのは、こういうことも関係あります。

小さな頃の私は、まさに正確さよりも速さを重視した練習をしていました。
とにかく最後まで弾けるようにしてしまおう、中身は後で埋めれば良いから、とりあえず大体で、という感じに。
最初の譜読みや練習を適当にしてしまうと、後が大変。
わかっているのに、それをやっと最近になって実行できるようになった私からの、アドバイスですよ…


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