年長さんの男の子のレッスン。
音を読むのが少し苦手。
ですので、新しい曲は教室で一緒に音を読みながら、ゆっくりレッスンを進めています。
一曲を仕上げるのには少し時間がかかりますが、丁寧に良い音を出しますし、表現力もあるので、仕上がりはとても美しいです。
さて、今週のレッスン。
短調の少し暗い曲。
楽譜の最初に「さびしげに」と書かれています。
がんばって練習したのでしょう。
間違えることもなく、正確に弾いていてくれるのですが、曲の感じがとてもハッピー!
元気で嬉しくてたまらん!みたいな音が出ているのです。
楽譜の最初を指さして「さびしいってわかる?」と聞くと、「うん、泣くんやろ。」と。
あなたは寂しくなると泣いちゃうのね…
「今の曲、すごく楽しい感じやったけど、寂しくて泣ける時って楽しくないでしょ?」と伝えて、もう一度弾いてもらいました。
でも、まだ楽しそう。
いろいろ説明してみましたが、いまいち伝わらず…
「じゃあ、強弱だけでも、もうちょっと弱くしようか」と言うと、「弱くしたら遠くまで聞こえんやん」と。
「小さく弾いたらコンクールの人(審査員)に聞こえんやん」と言うのです。
えー!
コンクールを想定して弾いてたんかー!
コンクールのことを考えてレッスンを受けていたとは思いもせず、普通にレッスンをしていたので、何だかごめんなさい…
その生徒さんは、私の教室に来てからは、まだコンクールには出ていませんが、以前に一度出たことがあります。
コンクールっていうのは音の大きさを競う場ではなくて、表現力とかも大事なんだよーと伝えたかったですが、それは、またの機会にします。
もし近々コンクールに挑戦するようなことになったら、底抜けに明るい曲を選んだ方がいいな…
いや、それを機に、しっとりとした曲を弾けるようになってもらう方がいいのか?
弱くてもエネルギーの強い音もあるし、強く弾けば良いっていうもんでもないしなー。
でもまだ年長さん、楽しく弾くのが一番だし…
いろんなことを考えてしまいました。
リズム感が良く、聴いたことを真似するのも得意な生徒さん。
今後がとても楽しみです。